愛媛県は、”温州みかん”をはじめとするみかんの栽培が盛んで、各地で様々な品種(40種類以上)が作られ、日本一の品種数と生産量を誇っている。その始まりは、江戸時代の終わり頃に「伊勢まわり」や「四国巡礼」で手に入れたみかんの苗木を植えたことからだといわれ、明治維新後の1900年頃から、地元農家に広まっていった。水はけが良く栄養分を多く含んだ土壌と、年を通して温暖な気候に加えて、「空からふりそそぐ光」、「海からの反射光」、「石垣からの輻射熱」の「3つの太陽」の恵みと、好条件で育ったみかんは、たっぷりの果汁と濃厚な甘さが堪らないおいしさだ。
愛媛県が日本有数のみかん産地となった背景には、江戸時代の終わりに宇和島市吉田町でみかんの栽培が始まったことが挙げられます。この時、伊勢参りや四国巡礼で手に入れたみかんの苗木が植えられたことがきっかけとされています。
愛媛県は一年を通して温暖で晴れの日が多く、畑の土壌も水はけが良く、栄養分が豊富であるなど、美味しいみかんを育てるには理想的な環境に恵まれています。このため、明治時代から熱心にみかんの栽培が行われ、1900年ごろには農家の数も増加し、みかんの生産量が静岡県を抜いて日本一になりました。しかし、2004年には和歌山県に抜かれ、現在では二位となっています。
それでも、みかんから派生した品種などを含めた柑橘類全体の生産量は、現在でも全国一位を維持しています。
愛媛県の海岸線沿いや瀬戸内の島々は、美味しいみかんが生産される有名な地域です。特に海岸線に沿った斜面地では、西宇和地域を代表するような石垣で覆われた段々畑が多く見られます。これらの石垣は熱を保持しやすく、みかんの木を温めて育てるのに適しています。空からの日光、海からの反射光、そして石垣からの照り返しの熱、この「三つの太陽」をたっぷりと浴びて育った愛媛のみかんは、非常に美味しいのです。
日本を代表する農産物は米ですが、愛媛県ではみかんの生産量がトップです。そのため、愛媛県の人々はみかん栽培を誇りに思い、みんなで支援していこうという気持ちに溢れています。県内で栽培されているイヨカンやポンカン、不知火(デコポン)などのさまざまな種類のみかんを合計すると、平成23年の生産量は約26万トンで、全国一位となっています。このように、愛媛県は他のかんきつ生産県と比べて、みかん以外にも多くの種類のかんきつを栽培し、生産量が全国一位であることから、「かんきつ王国」と呼ばれています。
愛媛みかんは、10月から12月にかけて豊富に出回りますが、早生りのものや遅生りのもの、あるいはハウス栽培によるものなどによって、4月とその前後を除けば年間を通してスーパーや果物店で手に入ります。また、1月から5月にかけては、イヨカンやポンカン、不知火(デコポン)、セトカ、清見などが出荷され、愛媛の柑橘を一年中楽しむことができます。
愛媛みかんはほぼ全国各地に出荷されています。地域別に見ると、関東地方が最も多く、全体の約80パーセントを占めています。また、遠方の北海道にも出荷されています。