“いもたき”とは、夏から秋にかけて主に河川敷などで鍋料理を食す、愛媛県下で広く行われている伝統行事。鍋に入れる具材は、里芋を中心に地域ごとの名産品を使用するのが特徴だ。大洲のいもたきは約350年以上前、加藤家の藩政時代に、お籠りと呼ばれる伝統行事でふるまう鍋に各自が地元名産の里芋を持ち寄ったことが始まりと言われている。河川敷で行われるイベントのほか、市内の料理店などで味わうことも可能。おいしくて楽しい中秋の風物詩に、一度参加してみるのはいかがだろう。
「いもたき」の起源は、大洲市にあります。この料理は、鶏肉、里芋、こんにゃく、しいたけなどの具材を煮込んだ鍋料理で、加藤家が藩主として統治していた約350年前にまで遡る歴史があります。この料理の始まりは、「お籠り」と呼ばれる伝統的な行事で、地元の人々が里芋を持ち寄って鍋を囲んだことに由来しています。
1966年には、この料理が市の観光事業として始まりました。河川敷で月を眺めながら里芋を楽しむこのイベントは、ピーク時には年間7万人以上の人々を集めました。特に、妙法寺河原では、名物の鵜飼いと同時期に1ヵ月間開催され、臥竜山荘のライトアップとともに美しい景色を楽しむことができます。秋になると、河原で鍋を囲む様子が見られます。大洲市の他にも、愛媛県内のさまざまな地域で「いもたき」が行われ、愛媛の秋の風物詩となっています。
「いもたき」では、里芋は子孫繁栄の縁起の良い食べ物として祝いの料理に用いられます。愛媛県内の約10箇所や南予地方を中心に、秋の河川敷で月見をしながら大勢で鍋を囲む宴会が行われます。
料理の方法は、里芋を皮をむいて塩で茹で、生揚げは一口大に切って油抜きをし、白玉粉で耳たぶ位の団子を作り、熱湯でゆでます。鶏肉を油で炒め、里芋と生揚げを加えてだし汁で煮ます。里芋が煮えたら白玉粉の団子を入れ、調味料を加えて甘辛く味付けし、温かいうちに汁と一緒に食べます。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:鶏肉、里芋、生揚げ、しいたけ