参籠殿
参籠殿は、京都の清水寺と同じく「懸造り」の工法で建てられた建築物です。床面積の約9割が山崖に迫り出しており、脚部の最長は8.3mに及びます。 伝統的な貫工法に加え、近代的技術も取り入れられており、開放的なガラス戸が3面に巡る室内空間が特徴です。
参籠殿の特徴
懸造りの工法は、急峻な斜面や崖地に建物を建てる際に用いられる伝統的な技術で、建物の床の一部を支柱で高く持ち上げることで、平坦な敷地がない場所でも建築を可能にしていて、自然と一体化した景観を生み出しています。少彦名神社の参籠殿では、三面に巡らされた開放的なガラス戸が特徴的な室内空間を創り出していて、参籠者は自然光が差し込む明るい空間で、周囲の自然を眺めながら静かに過ごすことができます。
修復活動と受賞歴
参籠殿は老朽化が進み倒壊の危険がありましたが、2014年に米国のワールド・モニュメント財団によって「世界危機遺産リスト」に登録されました。 地元住民や関係者の努力により修復が行われ、2016年にはユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の最優秀賞を受賞しました。
祭神
少彦名命(すくなひこのみこと)が祭られています。少彦名命は、古事記や日本書紀といった日本の神話に登場する神で、大国主命(おおくにぬしのみこと)とともに国造りを行ったとされています。
特に、医薬や酒造の神として広く知られており、人々の生活に深く関わる神として崇敬を集めています。少彦名命は、知恵と才能に長けた神としても描かれており、様々な分野で人々に恩恵をもたらしたと伝えられていま
歴史
少彦名神社は、日本神話の少彦名命を崇敬するために建立されました。
- 1441年: 宇都宮次郎太郎が扁額『少比古廟』を奉納
- 1583年: 正岡宮内大輔が神社を再興
- 1932年: 神殿が落成
- 1934年: 参籠殿が完成
- 2014年: 参籠殿の修復活動が開始
- 2015年: 参籠殿に竣工始
- 2016年: 参籠殿が市指定有形文化財に指定
祭礼
少彦名神社では以下の祭礼が行われています。
- 4月15日: 春の大祭 春の訪れを祝うとともに、五穀豊穣を祈願する祭礼です。
- 10月15日: 秋の例大祭 秋の収穫を感謝する祭礼で、多くの人々が参拝に訪れます。
施設紹介
大鳥居
神社の入り口に立つ威風堂々たる大鳥居です。
参籠殿
懸造りの技術を駆使した建築物で、神社の象徴的存在です。
拝殿、中殿、本殿
本殿には御陵があり、厳粛な雰囲気を保っています。