三島神社は、愛媛県八幡浜市保内町に位置する神社で、三島・大山祇信仰に基づく重要な神社です。この神社は、保内郷の総鎮守として古くから地域住民の崇敬を集めています。
三島神社は別名「船跡森 三島神社」とも呼ばれています。この名前の由来は、1856年に宇和島藩主であった伊達宗紀が寄進した鳥居の扁額に「船跡森」と記されていることからきています。この地域は、かつて入り江が広がっており、社地とされた川中島は船の形をしていたため、「船跡森 三島神社」と呼ばれるようになりました。現在でも社地は船形の特徴を残しています。
三島神社の創建は西暦774年に遡ります。当時、大三島にある大山祇神社からこの地に神霊が勧請され、現在の神社が建てられました。1873年には郷社に昇格し、さらに1933年には県社として認められました。保内郷の総鎮守としての地位を持ち、かつては摂社9社、末社75社を有していたと伝えられています。
境内には、地域の自然と神聖さが融合しています。特に注目すべきは、カワウソの鴟尾(しび)や力石などの珍しい遺物が残されている点です。これらは、神社の長い歴史と地域の信仰を物語るものです。
秋には、三島神社で「神幸祭(しんこうさい)」が行われます。この祭りは地域に深く根付いた伝統行事で、「御船」「四ッ太鼓」「唐獅子」「牛鬼」「五ッ鹿踊り」など、南予地方独特の練りが揃い、華やかな雰囲気に包まれます。特に「御船」は、かつてこの地が船の形をしていたことを象徴する重要な神事です。
三島神社の主祭神は大山祇命(おおやまづみのみこと)です。この神は、山の神であり、農業や漁業など自然の恩恵を司る神として崇められています。
また、三島神社には以下の神々も配祀されています:
三島神社の境内には、数多くの境内社が鎮座しています。以下はその代表的なものです:
祭神:伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
祭神:三筒之男命(みつつのおのみこと)
祭神:伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
祭神:神直日神(かむなおひのかみ)他二柱
祭神:平景清霊神(たいらのかげきよれいじん)
祭神:大名持命(おおなもちのみこと)他一柱
祭神:大宜部比売命(おおぎべひめのみこと)
祭神:大物主命(おおものぬしのみこと)他四柱
祭神:神守霊神(かみもりのれいじん)
三島神社は、いくつかの重要な文化財を所蔵しています。これらの文化財は、愛媛県や八幡浜市によって指定されています。
懸仏とは、仏教と神道の習合を象徴する仏像で、三島神社に伝わる1面の懸仏は、愛媛県の指定文化財となっています。
三島神社には、愛媛県指定文化財として5体の木造御神像が所蔵されています。
さらに、八幡浜市指定文化財として2体の木造御神像が保存されています。
三島神社は、古くから地域住民に崇敬されてきた由緒ある神社で、その歴史や文化財、祭りの伝統は地域文化に深く根付いています。船跡森三島神社としても知られ、その独特な地形と歴史的背景は、訪れる人々に深い印象を与えるでしょう。また、秋の神幸祭は地元の伝統文化を体験できる貴重な機会です。これらの要素を通じて、三島神社は今後も地域の中心として、その役割を果たし続けることでしょう。