宇和海展望タワーは、愛媛県南宇和郡愛南町に位置する、壮観な眺めを楽しめる建造物です。南予レクリエーション都市公園内にあり、正式名称は「第3号南予レクリエーション都市公園 宇和海展望タワー」といいます。
このタワーは、南予レクリエーション都市計画の一環として1977年8月10日に完成しました。愛媛県南宇和郡御荘町(当時)の馬瀬山公園に建てられ、その高さは110メートル、展望台の高さは86.5メートルに及びます。回転昇降式の展望室が特徴で、360度のパノラマビューからは御荘湾や宇和海のリアス式海岸、そして馬瀬山公園の美しい景色を一望できます。
展望室はドーナツ形をしており、直径は約6.7メートル、高さは約6.5メートル、定員は65名となっています。営業時間は午前9時20分から午後4時40分までで、年末年始を除き年間を通して多くの観光客に利用されています。
2016年2月14日には、機器の異常により回転昇降式展望室が100メートル地点で停止する事故が発生しました。この事故により、乗客3名と男性乗務員が一時閉じ込められましたが、けが人はおらず、安全に救出されました。原因はブレーキを動かす電気回路の故障とされ、3月8日に発表された調査結果に基づき部品交換などの対策が講じられ、3月9日に営業が再開されました。
2019年7月8日、宇和海展望タワーは耐震基準を満たしていないことが判明し、翌日より運航が休止されました。その後、2023年2月には南レクリエーション都市公園の再編計画に伴い、こども動物園と共に撤去される予定が発表されました。
宇和海展望タワーに関連する観光スポットとして、以下の場所が挙げられます。
宇和海(うわかい)は、愛媛県と大分県の間にある豊後水道の愛媛県側の海域、もしくは佐田岬半島南側に位置し、豊後水道に面した海域を指します。地域によっては、複雑な入り江が連なる「宇和海リアス式海岸」のことを意味する場合もあります。足摺宇和海国立公園の一部として、自然美を堪能できる地域として知られています。
宇和海は、佐田岬半島の南側に位置し、豊後水道に面しています。この海域には大小さまざまな島々が浮かび、リアス式海岸が形成する複雑な地形が特徴です。特に御荘周辺は景勝地として有名で、変化に富んだ海岸線が広がります。
この地域では、入り江を利用した養殖業が盛んです。特に真珠、ハマチ、マダイの養殖が行われており、全国的にも有名な産地となっています。また、内陸部では段丘が広がり、その段丘面で温州みかんの栽培も盛んに行われています。
宇和海は1970年に日本初の海中公園に指定され、1972年には足摺宇和海国立公園に組み込まれました。しかし、鉄道や道路などの交通インフラが整備されていないため、特に宇和島市以南の地域へのアクセスが困難です。そのため、観光開発は他のリアス式海岸が見られる志摩半島や若狭湾などと比べて進行が遅れている状況です。
10世紀には、この地域は海賊の根拠地として利用されていました。藤原純友の乱で知られる藤原純友は、宇和海に浮かぶ日振島を拠点として活動していました。
宇和海は潮通しが良く、好漁場として古くから知られています。アジ、サバ、イワシなどの漁獲が盛んに行われており、近年ではブリやマダイの養殖業も発展しています。また、アコヤガイによる真珠の養殖も行われており、この地域は全国的に有名な養殖業の一大拠点となっています。