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善福寺(山田薬師)

(ぜんぷくじ)

善福寺は、愛媛県西予市宇和町にある曹洞宗の寺院で、通称「山田薬師」とも呼ばれています。本尊は薬師瑠璃光如来であり、新四国曼荼羅霊場第53番札所として、多くの信仰を集めています。

歴史と由来

奈良時代の創建

善福寺は、奈良時代に郡主三好貞春の願いにより、行基によって創建されたと伝えられています。行基は極山(ごくざん)の洞窟にこもり、悪病除難を祈祷しました。これにより、善福寺は悪病除けの寺として知られるようになりました。

平安時代の繁栄

平安時代には、1073年に白河天皇の信仰を受け、日本三大薬師の一つとして知られるようになりました。日本三大薬師には、他に出雲の一畑薬師と築後の永勝寺があり、善福寺も勅願所としての地位を確立し、数度の勅願を受けました。

江戸時代の変遷

江戸時代になると、宇和島藩伊達家の勅願寺となり、山号を「宝おく山」から「潮光山」と改めました。また、伊達家からは笹に雀の家紋が許され、寺の威厳がさらに高まりました。

昭和時代の奇跡

1963年(昭和38年)の夏、大雨の影響で裏山から巨大な岩が落下し、大師堂を押しつぶしました。しかし、驚くべきことに、大師像は無傷で堂外にありました。この奇跡に驚いた村人たちは、大師堂を再建し、祈りを捧げました。

山田薬師としての善福寺

新四国曼荼羅霊場第53番札所

善福寺は「山田薬師」とも呼ばれ、新四国曼荼羅霊場第53番札所に指定されています。奈良時代の天平年間に行基によって創建されたとされ、多くの人々の信仰を集めてきました。境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、裏山から落下した巨大な岩です。夏には草木が茂り、境内のヒノキとともに荘厳な雰囲気を醸し出しています。

日本三大薬師の一つ

善福寺は、出雲市の一畑薬師、久留米市の永勝寺とともに、日本三大薬師の一つに数えられています。無病息災を祈るために、多くの参拝者が訪れ、信仰を捧げています。

年間行事

春の花祭り

毎年4月8日には、お釈迦様の誕生を祝う「花祭り」が開催されます。境内には屋根を花で飾った花御堂が作られ、誕生仏に甘茶を注ぐ儀式が行われます。この日は多くの参拝者で賑わい、幸福を祈る人々が集まります。

文化財

善福寺には、以下の西予市指定有形文化財が存在します。

本堂

1987年6月11日に指定された本堂は、善福寺の中心的な建物であり、歴史的価値が高いとされています。

厨子

2005年10月25日に指定された厨子は、寺内の貴重な仏具であり、精巧な造りが特徴です。

山門

同じく2005年10月25日に指定された山門は、寺の入り口を守る重要な建築物で、古い時代の風格を今に伝えています。

木造薬師如来立像

1983年12月9日に指定された木造薬師如来立像は、寺の本尊として古くから人々の信仰を集めてきました。

交通案内

善福寺へのアクセスは、四国旅客鉄道(JR四国)予讃線の卯之町駅からタクシーで約10分です。

前後の札所

新四国曼荼羅霊場の前後の札所は以下の通りです。

Information

名称
善福寺(山田薬師)
(ぜんぷくじ)

宇和島・大洲

愛媛県