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圓明寺

(えんみょうじ)

圓明寺は、愛媛県松山市和気町に位置する真言宗智山派の寺院で、四国八十八箇所霊場の第五十三番札所です。山号は須賀山(すがざん)、院号は正智院(しょうちいん)で、本尊は阿弥陀如来です。近年では、円明寺と表記されることが多くなっています。

本尊とご詠歌

本尊真言:おん あみりた ていぜい からうん

ご詠歌:来迎の弥陀の光の圓明寺 照りそふ影は夜な夜なの月

納経印

圓明寺では、以下の納経印が授与されます。

歴史

圓明寺の創建は、寺伝によれば天平勝宝元年(749年)、聖武天皇の勅願により行基が本尊阿弥陀如来を刻んだことに始まります。当時、脇侍として観世音菩薩と勢至菩薩も安置され、寺は「海岸山圓明密寺」と称され、現在の場所より北西約2.5 kmの海岸沿いに位置していました。

その後、弘法大師空海が巡錫し、荒廃していた伽藍を修復しました。鎌倉時代以降、幾度となく兵火に見舞われましたが、元和年間(1615年~1624年)に現在の場所に移転し、寛永10年(1633年)には須賀専斎重久の私財で再興されました。

境内の構成

圓明寺の境内には数多くの歴史的建造物や文化財が存在し、その魅力を堪能することができます。

山門(仁王門)

立派な八脚門の仁王門が参道の入口にあり、境内へと誘います。仁王像が安置されています。

本堂

本堂では修復された阿弥陀如来坐像を拝観することができ、その脇に観音菩薩と勢至菩薩が祀られています。本尊は絶対秘仏とされ、通常は拝観できません。

大師堂

大師像が祀られており、現在は令和6年12月末まで開帳中です。

観音堂

観音立像が安置されており、参拝者に人気のある堂宇です。

その他の堂宇

文化財

愛媛県指定有形文化財

松山市指定民俗文化財

銅板納札:慶安3年(1650年)の銘を持つ銅板の納札で、昭和55年10月20日に指定されました。これが四国遍路納札では唯一の銅板納札です。

奥之院

圓明寺の奥之院は観音堂にあり、当初この地に圓明密寺が建てられていたと伝えられています。しかし戦国時代に戦火で焼失し、元和10年(1624年)に現在の場所へ移転再建されました。

交通案内

鉄道でのアクセス

四国旅客鉄道(JR四国)の予讃線、伊予和気駅から徒歩0.3kmの距離です。

バスでのアクセス

伊予鉄バスの運転免許センター行き「和気」バス停が寺の門前にあります。

車でのアクセス

愛媛県道183号辰巳伊予和気停車場線「圓明寺前」から0.1 kmの場所に位置しており、駐車場は普通車10台、大型車3台が無料で利用できます。

周辺の霊場

西の下大師堂(風早四国第47番)

昭和3年に建てられた高浜虚子の句碑があり、虚子の胸像と共に祀られています。

養護院

空海によって授けられた杖大師と呼ばれる霊場です。

鎌大師

空海が鎌で自ら彫刻したと伝えられる霊場で、疫病平癒を祈願するための場所です。

遍照院

空海が厄除けの修法を行った場所で、厄除け大師として信仰されています。

青木地蔵堂と御加持水大師

空海が植えた青木の木と、加持水と呼ばれる霊水が湧いている場所で、腰から下の病に効くといわれています。

前後の札所

Information

名称
圓明寺
(えんみょうじ)

松山・道後温泉

愛媛県