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西林山 浄土寺

(さいりんざん じょうどじ)

浄土寺は、愛媛県松山市にある真言宗豊山派の寺院です。山号は西林山、三蔵院(さんぞういん)と号され、本尊は釈迦如来が祀られています。四国八十八箇所霊場の第四十九番札所であり、また伊予十三仏霊場の第二番札所でもあります。

寺院の基本情報

本尊真言:のうまくさんまんだ ぼだなん ばく

ご詠歌:十悪のわが身を棄てずそのままに 浄土の寺へまいりこそすれ

納経印:本尊、奥之院地蔵尊

浄土寺の歴史

浄土寺の創建は、天平勝宝年間(749年 - 757年)に遡り、孝謙天皇の勅願により恵明(えみょう)上人が開創したと伝えられています。本尊の釈迦如来像は、行基が刻んだとされています。当初は法相宗に属していましたが、空海(弘法大師)が伽藍を再興した際に真言宗へ改宗されました。

平安時代の再興

平安時代中期には、天台宗の僧空也が天徳年間(957年 - 960年)に浄土寺に滞在し、布教活動を行いました。また、建久3年(1192年)には源頼朝によって堂宇の修復が行われました。しかし、応永23年(1416年)には兵火によって焼失し、その後、文明14年(1482年)に河野通宣によって再建されました。現在の本堂はその時に再建されたもので、慶安2年(1649年)と昭和36年(1961年)にも大規模な修繕や解体修理が行われています。

院号「三蔵院」の由来

「三蔵院」という院号は、浄土宗の開祖・法然上人、第二祖・聖光上人、第三祖・良忠上人の自作像を安置していたことに因んでいますが、1945年の空襲でこれらの像は焼失しています。

境内の見どころ

浄土寺の境内には、数々の見どころがあります。

山門(仁王門)

4月中旬には、山門前に緑色の花びらが特徴的な御衣黄桜が咲き誇ります。また、山門には迫力ある仁王像が設置されています。

本堂

本堂には、向かって右側に空也上人立像が安置されています。また、正面には釈迦如来が祀られており、参拝者を迎え入れます。

大師堂

大師堂には、弘法大師像が祀られており、拝観することができます。浄土寺を訪れる多くの巡礼者が参拝し、祈りを捧げます。

その他の施設

境内には、鐘楼や阿弥陀堂、愛染堂、弁財天、仏足石などもあり、それぞれが信仰の対象となっています。阿弥陀堂の前には賓頭盧像があり、訪れる人々が手を合わせます。

句碑

境内には、正岡子規の句「霜月の空也は骨に生きにける」や森白象の句「お遍路や杖を大師とたのみつゝ」などが刻まれた句碑が立っています。特に正岡子規の句碑は、本堂の壇に上がって右手に位置し、参拝者の目を引きます。

奥の院「牛之峰地蔵堂」

浄土寺には奥の院として「牛之峰地蔵堂」があります。本堂左側の裏山を進むと、山頂に地蔵菩薩が祀られた地蔵堂が建っています。その後ろにはミニ八十八箇所があり、中央奥には石造の大師像が安置されています。

文化財

国の史跡

2023年3月20日、浄土寺境内が「伊予遍路道 浄土寺境内」として国の史跡に指定されました。

重要文化財

浄土寺の本堂は、文明16年(1484年)に建立され、昭和28年3月31日に重要文化財に指定されています。本堂内の厨子も重要文化財に含まれています。

木造空也上人立像

浄土寺に安置されている木造空也上人立像は、彩色が施され、玉眼を持つ鎌倉時代の作品です。この立像は、昭和2年9月18日に重要文化財に指定されています。

松山市指定有形文化財

不動明王像も浄土寺の重要な文化財の一つです。この像は「三尺不動」と呼ばれ、一木造りの像高94.4cmの平安時代後期の作です。光背と二童子は1756年に追補作として加えられています。この像は、昭和62年5月26日に松山市の指定有形文化財に指定されました。

アクセス

鉄道:伊予鉄道 横河原線 久米駅下車(徒歩約0.4km)

バス:伊予鉄バス 久米バス停・鷹の子温泉前バス停から徒歩

道路:愛媛県道40号 松山東部環状線 日尾八幡神社前(0.2km)、松山自動車道 松山IC(1.9km)

前後の札所

四国八十八箇所

第四十八番札所 西林寺(3.2km) -- 第四十九番札所 浄土寺 -- 第五十番札所 繁多寺(1.7km)

伊予十三仏霊場

第一番札所 大蓮寺 -- 第二番札所 浄土寺 -- 第三番札所 太山寺

Information

名称
西林山 浄土寺
(さいりんざん じょうどじ)

松山・道後温泉

愛媛県