東雲神社は、愛媛県松山市に位置する神社です。神紋は「星梅鉢」で、かつての社格は県社でした。江戸時代後期から明治時代初期にかけて、藩祖を祀る神社として建立されたものの一つです。
東雲神社の祭神は以下の通りです。
東雲神社の歴史は文政6年(1823年)に始まります。伊予松山藩11代藩主の松平定通は、藩祖である松平定勝の神霊を祀るため、京都の吉田家に神号の授与を依頼し、「息長福玉命」の神号を受けました。そして、松山城の城山揚木戸に仮宮を造営し、仮勧請しました。
その後、文政11年(1828年)には、藩祖松平定勝の嫡男である松平定吉の神霊も境内の祠に勧請されました。この時、定吉には「稚国命」という神号が与えられました。
天保8年(1837年)には、12代藩主松平勝善が再び松平定勝の神号授与を依頼し、「東雲大明神」の神号が授与されました。これにより、松山城内に正式に勧請され、長者が丘に新たな社殿の造営が始まりました。天保11年(1840年)に社殿が完成し、東雲神社は藩の崇敬を集める神社として定められました。
1945年(昭和20年)の松山空襲により、社殿を含む多くの建物が焼失しましたが、1971年(昭和46年)には、松山城の西堀端にあった伊勢神宮の分社である松山大神宮を東雲神社の跡地に御奉遷し、1973年(昭和48年)には神明造りの社殿が完成しました。この時、松山大神宮と東雲神社の神霊が合祀され、現在の形に至っています。
東雲神社には、国の重要文化財として認定されている武具が保存されています。特に有名なものに以下があります。
東雲神社では、以下の祭事が年間を通して行われています。
東雲神社は、愛媛県松山市丸之内73番地1に位置しています。
交通手段としては、伊予鉄道市内電車の大街道停留場で下車し、北へ徒歩5分ほどで到着します。坊っちゃん列車に乗降することも可能で、観光の際にもアクセスしやすい場所です。
東雲神社の周辺には、松山城のロープウェイ乗り場や「坂の上の雲ミュージアム」など、松山市内の観光名所も点在しています。また、大街道バスターミナルや大街道商店街といった便利な施設も近隣にありますので、観光ついでに訪れるのもおすすめです。