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古岩屋

(ふるいわや)

古岩屋は、愛媛県上浮穴郡久万高原町直瀬に位置する、壮大な岩峰群が連なる名所です。その美しさから、昭和19年(1944年)には国の名勝に指定され、また昭和39年(1964年)には四国カルスト県立自然公園の一部として登録されました。ここでは、自然の造形美と季節ごとの風景を楽しむことができ、多くの観光客や自然愛好家が訪れます。

古岩屋の地形と成り立ち

古岩屋は、直瀬川の両岸に高さ60mから100mに及ぶ円錐状の岩峰が20以上も連なり、まるで自然の要塞のような風景を形成しています。これらの岩峰は、第三紀の礫岩から成り、結晶片岩を基盤としています。長い年月をかけて水の浸食作用により、岩の表面が削られ、無数の穴が空いた姿が現在の古岩屋の特徴的な風景を作り上げています。そのため、「古岩屋」という名前が付けられました。

自然の芸術としての岩峰群

古岩屋の岩肌には、セッコクやイワヒバなどの植物が自生し、春から初夏にかけての新緑や、秋の紅葉の季節には、訪れる人々を魅了します。また、直瀬川の川岸にはサクラやカエデが植生し、四季折々の美しい風景を堪能できます。特に、春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が色鮮やかに染まり、訪れる人々を楽しませてくれます。

古岩屋に生息する動物たち

古岩屋の岩肌の穴は、野鳥にとって格好の巣作りの場となっており、ウグイス、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、キジなど、さまざまな野鳥が巣を作っています。また、岩窟にはコウモリの姿も見られ、自然豊かな環境が保たれています。これらの動物たちの活動を静かに観察することができ、自然と共生する古岩屋の魅力を感じることができます。

古岩屋の観光スポット

古岩屋を訪れる際には、久万高原町から愛媛県道12号西条久万線を東に進むと、国民宿舎「古岩屋荘」が見えてきます。この周辺が古岩屋の中心地となっており、観光の拠点として最適です。古岩屋荘の前には「杖立て地蔵尊」の祠があり、ここから始まる遍路道は古岩屋の名所を巡るのに便利です。

大師堂と不動堂

古岩屋荘のすぐ北には、林道と川を挟んで遍路道が通っており、これを西へ進むと「大師堂」があります。大師堂は「大師岳(65m)」の麓にあり、さらに進むと「不動堂」に辿り着きます。不動堂の背後には「不動岳(80m)」が聳え、その岩窟には約3mの不動明王が鎮座しています。不動堂へは林道を使って車で行くこともできるため、アクセスも容易です。

岩峰群の名前と特徴

古岩屋の岩峰にはそれぞれ名前が付けられており、古岩屋荘の正面には左から「千窟岳(70m)」、「桂岳(60m)」、「鐘釣岳(100m)」、さらに右へ続いて「嶋田岩」、「千丈岳」、「子持岳(90m)」と名付けられた岩峰がそびえています。これらの岩峰は、それぞれ異なる形状や高さを持ち、訪れる人々に異なる魅力を提供しています。

また、不動明王の周辺には「不動岳」、「観音岳」、「大師岳」、「小屏風岳」があり、その背後には「権現岳」が聳え立っています。これらの山々は、古岩屋の雄大な風景をさらに引き立てる存在となっています。

古岩屋を楽しむためのポイント

古岩屋を訪れる際には、春の新緑や秋の紅葉の時期がおすすめです。特に、紅葉の季節には岩肌と色鮮やかな木々のコントラストが美しく、多くの写真愛好家が訪れます。また、古岩屋の近くには「岩屋寺」や「大寶寺」などの四国八十八箇所のお寺も点在しており、遍路道としても人気のスポットです。

さらに、古岩屋温泉も近くにあり、自然の中でのんびりと温泉を楽しむこともできます。美しい自然と共に心身を癒やすことができる古岩屋は、観光だけでなく、リラックスできるスポットとしても魅力的です。

アクセスと周辺情報

古岩屋へは、愛媛県道12号線を利用して車でのアクセスが便利です。周辺には駐車場も整備されているため、ドライブがてら訪れることができます。また、久万高原町の中心部からはバスも運行しており、公共交通機関を利用しての訪問も可能です。

古岩屋周辺には、地元の食材を使った飲食店やお土産物屋もあり、観光後の食事や買い物も楽しめます。久万高原町の自然や文化に触れながら、古岩屋での時間を存分に満喫してください。

古岩屋は、壮大な自然の景観と歴史を持つ場所であり、訪れる人々に癒やしと感動を与えてくれます。四季折々の風景を楽しみながら、ぜひ一度足を運んでみてください。

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名称
古岩屋
(ふるいわや)

松山・道後温泉

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