薄く切った豆腐を油で揚げた料理で、スポンジのようにふんわりと軽く、パリッとした食感が特徴。通常の油揚げとは異なり、水分が非常に少ないため保存期間が長く、常温で3か月も保存できる。明治の頃に日持ちする油揚げとして考案された「干油あげ」は、添加物を一切使用せず、遺伝子組み替え大豆も使用しないで作られた自然食品。南極観測船「宗谷」のキッチンでも活躍した。その後、干したものと間違われることが多かったため、電車が松山に開通した頃に「松山あげ」と命名して今では愛媛の名産品のひとつになっている。パッケージに「風味を保つために、油抜きはしないでそのままお使いください」とあるように、そのまま食べるとサクサクと軽い食感が楽しめ、風味豊か。汁物に入れるとなめらかでもっちりとした食感に変わる。さまざまな料理で手づくりの風味を味わいたい。
製造は、大豆から絞った豆乳に、にがりを加えて作った豆腐を厚さ3㎜ほどに切り、圧力をかけて水分を抜く。脱水が終わった豆腐は大きなフライヤーに運ばれ、菜種油で三度揚げされ、最終的に水分量は3%まで減り、そのまま食べるとサクサク、汁物に入れるともっちりとした食感になるそう。