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面河山岳博物館

(おもご さんがく はくぶつかん)

面河山岳博物館は、愛媛県上浮穴郡久万高原町に位置する町立の博物館です。1991年に旧面河村(現在の久万高原町)に開館し、石鎚山系に関する貴重な資料や情報を展示しています。博物館は、面河渓の入り口や石鎚スカイラインの基点付近にあり、石鎚山系の自然や歴史について深く学ぶことができる施設です。

博物館の概要

面河山岳博物館では、石鎚山系に生息する動植物や岩石、自然の成り立ち、さらに登山の歴史について、多岐にわたる展示が行われています。常設展示では約3,000点の資料を通して、石鎚山系の自然と歴史を紹介しており、館蔵品は約50,000点にのぼります。また、年に3回企画展が開催され、季節に合わせた自然観察会や昆虫教室なども実施され、教育普及活動にも力を入れています。

常設展示の紹介

植物

石鎚山系には1,000種を超える植物が記録されており、その中には面河渓や石鎚山が初めて発見地となった珍しい植物も30種類以上含まれます。博物館では、これらの植物を写真や精巧な模型で紹介しており、森林の垂直分布も理解できるような展示がされています。特に高山植物のレプリカは、見逃せない展示のひとつです。

哺乳類

石鎚山系の哺乳類展示では、非常に希少なニホンカモシカやモモンガ、ヤマネの他にも、博物館の周辺でも見かけることのできるイノシシ、ムササビ、アナグマ、タヌキなどが剥製のジオラマで展示されています。これにより、石鎚山系に生息する多様な哺乳類の生態を理解することができます。

岩石・化石

石鎚山周辺の岩石や化石の展示では、三波川変成岩類、土小屋(標高1,500m)から発見された植物化石、面河渓の白く美しい花崗岩、天狗岳の荒々しい凝灰岩などが紹介されています。これらの展示を通じて、石鎚山の成り立ちや地質学的な特徴を学ぶことができます。また、石鎚山周辺で見つかる晶洞鉱物や水晶の標本も展示されています。

昆虫

石鎚山系には、3,000種を超える昆虫類が生息しています。これには、ツマジロウラジャノメやキンスジコガネといった「北方系昆虫」も含まれ、これらの昆虫は本州中部山岳地帯より北に生息の中心があります。博物館では、これらの昆虫の標本や、クワガタムシ、トンボなどの人気の昆虫の展示も行っています。

山の歴史と暮らし

面河地域には、古くから木地師と呼ばれる職人たちが住んでおり、彼らはトチノキやケヤキを使ってお盆やお椀を作っていました。博物館では、これらの木地製品や道具を写真と共に展示しています。また、石鎚山の山岳信仰や登山の歴史も紹介しており、地元の文化や歴史を学ぶことができます。

石鎚山ジオラマ

石鎚山のジオラマは、約100分の1の縮尺で、山頂の南面と北面を再現しています。北面では、石鎚山の開山祭の様子も紹介されており、火山の噴火によってできた柱状節理の美しさも見どころです。このジオラマを通じて、石鎚山の地形や歴史を立体的に理解することができます。

教育普及活動とイベント

面河山岳博物館では、自然観察会や昆虫教室といった教育普及活動が行われています。これらのイベントは、季節ごとにテーマを変えて開催され、地域住民や観光客に石鎚山系の自然について楽しく学ぶ機会を提供しています。また、年に3回の企画展では、普段は見られない特別な展示が行われ、石鎚山系の魅力を再発見することができます。

アクセスと利用案内

面河山岳博物館は、面河渓の入り口近くに位置し、石鎚スカイラインの基点付近にあります。博物館の開館時間や料金、休館日などについては、久万高原町の公式ホームページで確認できます。訪れる際には、事前にアクセス情報や利用案内を確認することをお勧めします。

関連情報

面河山岳博物館を訪れた際には、近隣の観光地も合わせて訪れることをお勧めします。石鎚山や面河渓の自然美を楽しんだり、地域の歴史を学んだりすることで、愛媛県の魅力を存分に堪能することができます。

Information

名称
面河山岳博物館
(おもご さんがく はくぶつかん)

松山・道後温泉

愛媛県