奥道後温泉は、愛媛県松山市に位置する歴史ある温泉地です。四国地方では珍しい良質な硫黄泉として知られ、地元の人々や観光客に親しまれています。豊かな自然に囲まれたこの温泉は、心身のリフレッシュに最適な場所です。
奥道後温泉の泉質は、アルカリ性単純硫黄温泉で、泉温は約38.4℃です。硫黄成分が含まれているため、ほのかに硫黄の香りが漂います。肌に優しいアルカリ性の湯は、入浴後に肌がすべすべになる「美肌の湯」としても人気です。
奥道後温泉は、その泉質から多くの効能が期待されています。特に、関節痛、切り傷、肩こり、冷え性、くじき、運動器障害、皮膚病、婦人病、高血圧、糖尿病、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、五十肩、打ち身、運動麻痺、慢性消化器病などに効果があるとされています。
ただし、これらの効能は万人に保証されるものではありませんので、予めご了承ください。
奥道後温泉は、石手川上流の渓谷に位置し、豊かな自然環境に囲まれています。この地には、来島どっくグループが開発した滞在型リゾート施設があり、温泉だけでなく、ホテルやレジャー施設も併設されています。温泉街は、まさにリラクゼーションとエンターテイメントが融合した観光地として多くの人々に親しまれています。
温泉街の中心には「ホテル奥道後」があり、宿泊客に快適な滞在を提供しています。1963年に開業し、2014年には「奥道後 壱湯の守」としてリニューアルオープンしました。ホテルは地上7階建てで、露天風呂や家族風呂、大宴会場、各種レストラン、バー、卓球場、結婚式場など、さまざまな施設が揃っています。また、日帰り入浴や食事だけの利用も可能です(有料)。
ホテル奥道後に隣接する遊園地は、かつては「錦晴殿」という京都の金閣寺を模した建物がありましたが、現在は残っていません。それでも、遊園地内の桜は花見の名所として知られており、春には多くの花見客で賑わいます。遊園地内には遊歩道も整備されており、石手川の美しい渓谷を散策しながら自然を満喫することができます。
奥道後温泉へは、伊予鉄バスやせとうちバスが運行しています。伊予鉄バス[52系統]松山空港線の湧ヶ淵行きで「奥道後」停留所下車すぐ、または[52系統]湯の山ニュータウン行きで「湯之元」停留所下車後、徒歩約200mの場所にあります。せとうちバスでは、松山―今治・大三島特急バスで「奥道後」停留所下車すぐです。
なお、奥道後行きのバスは、湯之元停留所より湯の山ニュータウンを経由して奥道後に向かうため、湯之元で下車した方が早く到着できる場合があります。
奥道後温泉の歴史は古く、長年にわたり多くの人々に愛されてきました。過去には劇場の火災や経営の困難など、さまざまな試練を乗り越えながらも、現在もなおその魅力を保ち続けています。近年では、「奥道後 壱湯の守」として新たなスタートを切り、温泉地としての魅力をさらに高めています。
また、ホテル内には2018年に「奥道後坪内記念館」が設立され、来島どっくグループの創業者である坪内寿夫氏の功績を伝えています。
奥道後温泉観光バスは、ホテル開業に合わせて設立されたタクシー・バス会社です。かつてはJR松山駅や松山空港などとを結ぶ路線バスも運行していましたが、現在は事業を行っていません。
奥道後温泉は、映画やテレビドラマの撮影地としても知られています。映画『続・社長繁盛記』やテレビドラマ『ザ・ガードマン』、そして『仮面ライダーV3対デストロン怪人』など、数多くの作品のロケ地として使用されました。
奥道後温泉は、豊かな自然に囲まれた温泉地で、癒しとリラクゼーションを求める人々に最適な場所です。四国では珍しい硫黄泉と、その効能により、幅広い症状に効果が期待される温泉として、多くの人々に親しまれています。今後も多くの人々に愛され続ける温泉地として、発展していくことでしょう。