愛媛県 » 松山・道後温泉

隻手薬師(香積寺)

(かたでやくし こうしゃくじ)

香積寺は、愛媛県東温市田窪に位置する高野山真言宗の寺院で、薬師如来を本尊としています。新四国曼荼羅霊場の第四十六番札所であり、「隻手薬師」という通称で親しまれています。

概要

香積寺は、弘法大師によって大同4年(809年)に創建されました。創建当時、片手が不自由で働けなかった人々がこの寺で百日間の祈願を行うことで回復し、片手での祈願でも利益を受けられることから「隻手薬師」と呼ばれるようになりました。

現在の香積寺の場所は、元禄年間(1688-1704年)に移転されたものです。寺伝によれば、西郷隆盛が鹿児島に帰還する際、当寺で京都清水寺住職の月照上人と会談したと伝えられています。

伽藍

山門(仁王門)

境内の入り口に位置する山門は、訪れる人々を迎え入れる重要な門です。

中門

山門を通り抜けると、中門があり、ここから本堂などの伽藍へと続きます。

本堂

本尊である隻手薬師は、柳の下から掘り出されたと伝えられており、その日が12日であったことから、毎月12日が月縁日とされています。本尊は一度も開帳されたことのない絶対秘仏であり、元禄13年(1700年)に建立された東温市最古の木造建築物です。

大師堂

弘法大師が祀られている大師堂は、参拝者が自由に拝顔できる場所です。

粟嶋堂

多くの人形が供養のために安置されており、参拝者が人形供養の祈願を行うことができます。

大講堂

本坊の二階にあり、千手観音が祀られています。車椅子でも利用できるスロープが設置されており、そのスロープは四国八十八ヶ所のお砂踏みの参道になっています。スロープの終点には、高野山奥の院のお砂踏みが配置されています。

鐘楼

鐘楼は、訪れる人々が鐘を撞くことができる場所で、静かな境内に鐘の音が響き渡ります。

奥ノ院

本尊は「張子大師」と呼ばれ、本堂の左手から背後に回り込んだ奥に位置しています。通常は門が閉ざされており、参拝できるのは毎年2月の節分の日のみです。

小堂群

境内には、六地蔵堂、地蔵堂、水子地蔵堂、修行大師堂、釈迦洞佛足石堂などの小さな堂宇が点在しており、それぞれの堂には特定のご利益を求める参拝者が訪れます。

交通案内

鉄道でのアクセス

香積寺は、伊予鉄道横河原線の田窪駅から徒歩3分の場所に位置しています。公共交通機関を利用して訪れることができるため、非常に便利です。

自動車でのアクセス

車で訪れる場合は、山門前と中門前に無料の駐車場が完備されています。境内まではスムーズにアクセスできるため、観光の際にも安心して訪れることができます。

新四国曼荼羅霊場の札所

前後の札所

香積寺は、新四国曼荼羅霊場の第四十六番札所として、多くの参拝者が訪れます。前後の札所は次の通りです。

Information

名称
隻手薬師(香積寺)
(かたでやくし こうしゃくじ)

松山・道後温泉

愛媛県