厳島神社は、愛媛県松山市神田町にある由緒ある神社です。その神紋は「三盛亀甲花菱」で、松山市三津浜地区に鎮座していることから、地元では「三津厳島神社」とも呼ばれています。旧社格は郷社に属しており、その歴史は崇峻天皇の時代にまで遡ります。宗像三女神を筑紫国の宗像から勧請し、のちに広島県の厳島神社からも再び勧請されたとされています。
厳島神社の主祭神は、宗像三女神です。宗像三女神は以下の三柱の神々で構成されています。
また、厳島神社では以下の神々も合祀されています。
厳島神社は古くからの歴史を持つ神社で、さまざまな時代にわたる由緒深い出来事が記されています。
厳島神社の境内には、境内社が二社併設されています。西側には祠があり、その前には「なで牛」、「なで恵美須神」、「なで寿老神」の石像が奉納されています。
祭神は菅原道真で、学問の神として多くの信仰を集めています。
祭神は恵美須神と寿老神です。特に寿老神は、伊予七福神まいりの一つに数えられています。
厳島神社では、毎年さまざまな祭事が行われていますが、特に重要なのが10月6日の例大祭と、それに続く10月7日の神幸祭です。神幸祭では、三津の南北および古三津の南北の4体の神輿が鉢合わせを行う「喧嘩神輿」が繰り広げられます。この鉢合わせは、神輿の担ぎ棒を正面からぶつけ合う迫力ある伝統行事で、地域住民や観光客に親しまれています。
厳島神社の神幸祭において、神輿の宮出しは松山地区の秋祭りの中でも最も早い午前1時に行われ、「暁(あかつき)の宮出し」と呼ばれています。御神体を神輿に移す「御霊遷し」の際には、神が床を踏まないように氏子たちが横になり、人の道を作る伝統的な儀式が行われます。
また、宮出しの前には、古三津地区の伝統芸能である虎舞(獅子舞の虎版で、加藤嘉明の虎狩りに由来)も奉納され、地域の文化を感じさせる光景が広がります。
平成20年(2008年)には、三津の南北の神輿2体が100年ぶりに新調され、より一層盛り上がりを見せています。
厳島神社の境内には、松山出身の秋山好古が揮毫した「日露戦役表忠碑」が建っています。この碑は、日露戦争における勇敢な戦士たちの功績を讃えるためのもので、多くの参拝者が足を止めて見入ります。
伊予鉄道高浜線「三津駅」から徒歩5分の距離にあります。