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城山公園(松山市)

(しろやま こうえん)

城山公園は、愛媛県松山市丸之内・堀之内に位置する都市公園(総合公園)で、松山城を囲む城山およびその周辺を含む広大な公園です。松山市街地の一角にあり、広々とした芝生や歴史的な老木が並ぶこの公園は、市民の憩いの場として親しまれています。また、オータムフェスティバルをはじめとする様々なイベントが年間を通して開催され、多くの人々が訪れる魅力的な場所です。

公園の概要

城山公園は松山城の本丸、二之丸、三之丸を含む広大な敷地を持ち、その全域が文化財保護法に基づく史跡として指定されています。公園内には、国の重要文化財に指定されている松山城の大天守や、県の天然記念物に指定された城山樹叢(じゅそう)が存在します。桜の名所としても知られており、日本さくら名所100選にも選ばれています。特に桜の開花時期には、花見客で非常に賑わいます。

公園内にはNHK松山放送局、愛媛県美術館、愛媛県立図書館、松山市民会館といった公共施設が点在しています。かつて存在した松山市営球場や競輪場は、松山中央公園に移転しました。

城山公園の沿革

城山公園の歴史は、明治7(1874)年に本丸が「聚楽園(松山公園)」として開設されたことから始まります。その後、明治19(1886)年に一度廃止されましたが、明治43(1910)年に再開され、堀之内には県庁裏からの登城道が整備されました。昭和23(1948)年に「城山公園」として正式に都市計画公園に指定され、昭和24(1949)年には松山城山の樹叢が愛媛県の天然記念物に指定されました。また、昭和27(1952)年には国の史跡「松山城跡」としても指定され、現在では松山市の象徴的な公園となっています。

公園の整備

公園の整備は昭和31(1956)年に都市公園としての機能が強化され、さらに堀之内には野球場、庭球場、ラグビー場、弓道場、陸上競技場などが整備されました。

松山城の歴史と見所

松山城の建設

松山城は、慶長7(1602)年に加藤嘉明によって築城が開始され、約25年の歳月をかけて完成しました。四国最大の城郭であり、その後、親藩である松平氏が寛永12(1635)年から明治元(1868)年までの233年間にわたり居城としました。この城郭は、日本の築城史上でも特筆すべき存在であり、今日に至るまで多くの建物や遺構が残っています。

本丸跡

松山城は、現存する12天守の中でも最も保存状態の良い城郭の一つであり、姫路城と並ぶ連立式天守を持つことでも有名です。本丸跡には、国の重要文化財に指定された望楼型二重櫓「野原櫓」をはじめ、乾櫓や隠門などが現存し、その壮大な歴史的価値を物語っています。また、登り石垣が二之丸から本丸にかけて残されており、松山城の堅牢さを今に伝えています。

二之丸跡

二之丸跡は、藩主の居住空間として重要な役割を果たしていた場所で、「表御殿」と「奥御殿」が設けられていました。平成4(1992)年には「松山城二之丸史跡庭園」として整備され、表御殿は草花や柑橘類、奥御殿は水と砂利を使った流水園として再現されています。発掘調査により発見された「大井戸遺構」も露出展示され、往時の姿を偲ぶことができます。

堀之内地区(三之丸跡)

堀之内地区にある三之丸跡は、本丸に次いで慶長10(1605)年頃に完成されたとされています。ここには藩主の住居や藩政の施設が数多く設けられ、約60名の家臣たちとその家族が暮らしていました。明治時代以降は、県庁や陸軍省の所管施設が置かれましたが、太平洋戦争後は野球場やプール、競輪場などが整備され、現在では史跡としての価値を保ちながら都市公園として整備が進められています。

広場と施設

やすらぎ広場

やすらぎ広場は3.25ヘクタールの広さを誇り、松山城の天守や二之丸などの史跡景観を一望できる憩いの空間です。芝生広場に休憩所や水飲み場が配置されており、さまざまなイベントが開催される場所でもあります。

ふれあい広場

ふれあい広場は、3.32ヘクタールの広さを持ち、家族や友人と軽スポーツを楽しむ場所として利用されています。各種イベントの開催も可能で、地元住民に親しまれています。

さくら広場

さくら広場は0.84ヘクタールの広さを持ち、多くの桜が植えられ、春には花見を楽しむことができる空間です。桜の季節には多くの観光客が訪れます。

管理広場

管理広場は1.36ヘクタールの広さがあり、小規模なイベントや、他の広場で行われる大規模なイベントの準備スペースとして利用されています。

城濠(お堀)

城山公園の堀には、白鳥や鯉、鮒が生息し、市民や観光客にとっての憩いの場となっています。戦後、進駐軍からお堀の埋め立て命令が出された際、多くの人々が反対運動を行い、お堀が守られました。この歴史的な出来事を伝えるため、現在では堀之内東口に解説板が設置されています。

過去に存在した施設

城山公園には、かつて以下のような施設がありました:

主な開催行事

2020年東京オリンピック聖火リレー

2020年東京オリンピックの聖火リレーでは、城山公園がセレブレーション会場として使用されました。聖火ランナーは公募によって約1万人が選ばれ、全国からの応募は延べ53万5717件にも上りました。

当初、聖火リレーは2020年に予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により1年間延期され、2021年4月21日に松山市内でのリレーが予定されていました。しかし、感染拡大防止のため、同年4月14日に組織委員会が公道での走行を断念し、4月21日に一般観客を入れずに城山公園で点火セレモニーが実施されました。

交通アクセス

城山公園へのアクセスは、鉄道やバスが便利です。以下に主な交通手段を紹介します。

鉄道

公園への最寄り駅は、いずれも伊予鉄道の松山市内線(路面電車)です。最寄りの停留場からは、いずれも徒歩5分程度で公園に到着します。

バス

伊予鉄バスおよびJR四国バスを利用する場合、以下の停留所から徒歩5分以内で公園にアクセスできます。

徒歩

松山市内からは徒歩でもアクセス可能です。最寄りの駅からの所要時間は以下の通りです。

まとめ

城山公園は松山城を取り囲む歴史と自然の融合した公園であり、松山市民や観光客にとって魅力的な場所です。桜の名所としても知られており、春の花見シーズンには特に多くの訪問者が訪れます。また、公共交通機関を使ったアクセスが非常に便利で、松山市の観光地巡りの一環としても最適です。

Information

名称
城山公園(松山市)
(しろやま こうえん)

松山・道後温泉

愛媛県