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赤穂根島

(あかほねじま)

赤穂根島は、瀬戸内海のほぼ中央に位置する芸予諸島の一部で、愛媛県の上島諸島に属する島です。この島は、離島振興法の指定地域であり、静かな自然環境に囲まれています。

概要

赤穂根島は、岩城島の約300メートル南東の海上に位置し、津波島や佐島と海峡を隔てて向き合っています。西側には少し離れて伯方島が位置します。島の面積は約2.09平方キロメートルで、最高地点は島の南東側にある標高159.1メートルの急斜面にあります。

地理的特長

赤穂根島は、豊かな自然に囲まれた小さな島ですが、その地理的な魅力は大きいです。瀬戸内海の美しい海に囲まれ、隣接する岩城島や津波島、佐島との関係が特徴的です。また、自然の起伏に富んだ地形が魅力的で、標高159.1メートルの高台からは瀬戸内海の絶景を楽しむことができます。

歴史と社会

赤穂根島は、かつて住民が居住していた島でした。太平洋戦争後も住民が生活していましたが、1951年(昭和26年)頃には無人島となりました。しかし、2001年(平成13年)9月には、岩城島から出作りを行っていた夫婦によって再び有人化されました。その後、2011年(平成23年)には再び無人島となりましたが、2013年(平成25年)には人口2人を記録しています。

戦国時代からの歴史

赤穂根島の歴史は戦国時代にまで遡ります。『岩城村誌』によると、この時代には砦が築かれ、その跡地には江戸時代に八幡社が建立されました。このように、島には古代からの歴史的な遺構が点在しており、訪れる人々に歴史のロマンを感じさせます。

生物多様性

赤穂根島は、豊かな自然環境を背景に多くの生物が生息しています。島にはタヌキやハツカネズミなどの哺乳類が生息しているほか、イシガメやクサガメ、ニホンヤモリ、ニホントカゲといった爬虫類も見られます。さらに、淡水魚のモツゴやドジョウ、メダカも調査で確認されています。特にドジョウは愛媛県で準絶滅危惧種に指定されていますが、赤穂根島では豊富に生息しています。

ドジョウとモツゴの生息状況

赤穂根島のドジョウは、愛媛県では準絶滅危惧種として扱われていますが、島内の自然環境が整備されていないため、多くの個体が生息しています。また、モツゴは釣り人によって餌として導入されたもので、現在では個体数が増加しています。これにより、釣り好きには注目される存在となっています。

産業と農業

赤穂根島では、かつて岩城島の住民が「出作り」として農業を営んでいました。稲や粟、麦、甘藷(サツマイモ)などが栽培されており、1981年(昭和56年)には農道も整備されました。現在でも柑橘の栽培や小規模な畑作が行われていますが、高齢化により耕作放棄地も増加しているのが現状です。

島の農業の現状

赤穂根島では、特に柑橘類の栽培が行われており、瀬戸内海の温暖な気候を活かした農業が展開されています。しかし、島民の高齢化が進み、多くの畑が耕作放棄地となっています。これにより、地域活性化の取り組みが課題となっています。

交通アクセス

現在、赤穂根島には定期航路が存在していません。かつては1980年から岩城島の岩城港と赤穂根島の竹ノ浦を結ぶ出耕用の航路が不定期で運航されていましたが、現在は廃止されています。そのため、赤穂根島へのアクセスは困難であり、訪れるには特別な手段が必要です。

アクセスの課題

赤穂根島は美しい自然に囲まれていますが、定期的な交通手段がないため、アクセスが難しいという問題があります。観光客が気軽に訪れることは難しいものの、その孤立感が逆に魅力となり、静かな場所を求める人々には最適な観光地と言えるかもしれません。

まとめ

赤穂根島は、瀬戸内海に浮かぶ静かで美しい島です。豊かな自然環境と歴史的な背景を持つこの島は、観光客にとって魅力的な場所です。しかし、交通手段の問題や高齢化に伴う耕作放棄地の増加といった課題も抱えています。それでも、赤穂根島を訪れることで感じられる静けさや自然の美しさは、他の観光地にはない特別な体験を提供してくれるでしょう。

Information

名称
赤穂根島
(あかほねじま)

今治

愛媛県