積善山は、芸予諸島の岩城島に位置し、標高369.8mを誇る美しい山です。そのなだらかな山容は富士山を思わせ、「岩城富士」とも呼ばれています。
積善山は、岩城島のほぼ中央に位置しており、北西側の小漕港付近および南東側の岩城港付近から山頂手前まで自動車道が整備されています。これにより、車で簡単にアクセスすることができ、山頂近くの駐車場からは、桜が咲き誇る山道を楽しむことができます。
山道沿いには、ソメイヨシノやオオシマザクラ、山桜など約3000本の桜が植えられており、その美しい景観は「天女の羽衣」と称されるほどです。この桜並木が広がる景色は、訪れる人々を魅了し、「岩城の桜を一度観たら、一年長生きできる」という言い伝えまであるほどです。
さらに、毎年4月には桜祭りが開催され、春の桜の美しさを多くの観光客が楽しんでいます。6kmにわたる登山道は、ハイキングコースとしても人気があり、訪れる人々に自然の美しさを堪能させてくれます。
積善山の山頂には、360度全方位のパノラマが楽しめる展望台が設けられています。ここからは、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島の美しい島々、多島美をはじめ、しまなみ海道に架かる橋の数々を一望することができます。また、南側には四国山地の最高峰である石鎚山、北側には中国山地の山々をも見渡すことができ、訪れる人々に感動を与えます。
積善山は桜だけでなく、ミモザやヤマツツジといった植物が彩りを添えています。また、瀬戸内海の他の島々と同様に、岩城島は柑橘類の栽培が盛んで、山の斜面にはミカンやレモンなどの段々畑が広がっています。これらの植物が一年を通して花々と共に美しい風景を作り出し、季節を問わず訪れる価値があります。
春には桜のほか、ミモザが鮮やかに咲き誇り、初夏から夏にかけてはヤマツツジが美しい花を咲かせます。また、冬には柑橘類の実が黄金色に輝き、訪れる人々に季節の変化を感じさせます。特に、岩城島名産のレモンは有名で、その爽やかな香りが島全体に漂い、訪問者を迎えます。
積善山はその地形と気候から、パラグライダーの聖地としても知られています。山の中腹には専用の発射場が設けられており、適切な気流があれば上空1500m付近まで上昇することが可能です。その高さからは、まるで鳥になったかのように、しまなみ海道に架かる多々羅大橋、大三島橋、生口橋といった橋梁や、芸予諸島の美しい景観を楽しむことができます。
パラグライダーは、特に春から秋にかけての晴れた日に人気があり、多くの愛好者が訪れます。上空から眺める景色は壮大であり、瀬戸内海の青い海と、点在する島々の美しさを上空から堪能することができます。
積善山は、桜の名所として知られていますが、桜の季節以外でも訪れる価値のある山です。桜やミモザ、ヤマツツジなど、季節ごとに異なる花々が咲き誇り、また、柑橘類の段々畑が一年を通して美しい風景を作り出しています。さらに、展望台からの眺望やパラグライダー体験など、さまざまなアクティビティも楽しむことができます。
積善山は、自然の美しさや豊かなアクティビティに恵まれたスポットであり、訪れる人々に心地よい時間を提供してくれる場所です。