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いぎす豆腐

(とうふ)

瀬戸内海地方の漁師町のヘルシーな郷土料理をツルっと味わう

愛媛県今治市を中心とした、瀬戸内海地方に伝わる郷土料理。海藻の一種いぎすを煮溶かして固めたもので、長寿の食品とも言われている。長寿の人が多いことで知られる尾道・向島では江戸時代から作っていたそうで、作り方は地域や家庭によって少しずつ違っている。このいぎす豆腐、だしの味がついているので、そのままでも十分美味しいが、好みで練り辛子やおろし生姜を薬味としてポン酢醤油で食べたり、辛子味噌で食べたりするのもいい。特に、食欲が落ちる夏場にツルっと食すのがおすすめだ。

いぎすは、浅い海の岩などに生える海藻で、枝状の細い紅藻の一種です。今治市周辺の海岸では、7・8月にたくさん見られます。そして、「いぎす豆腐」とは、いぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように固めた料理のことです。この料理は、ひんやりとしていて、食欲がなくなる暑い夏にも食べやすく、家庭によっては「具入り」と「具なし」の2種類があります。「具入り」には、エビや枝豆などが入れられ、見た目も華やかです。そして、「具なし」は、醤油やからし味噌をつけて食べます。

愛媛県の越智・今治地域では、お盆や法事のときによく食べられます。「いぎす豆腐」は、夏の味覚の一つで、冷や奴を食べる感覚で口にする人が多いです。

作り方は以下の通りです:
1. いぎすを水で何度も洗い、ゴミを取り除き、一晩水に浸けます。
2. 人参、ごぼう、しいたけを千切りにし、下味をつけます。
3. エビは皮をつけたままゆでて、皮を取り除き、みじん切りにします。
4. 鍋にいぎすとエビのゆで汁を入れ、ゆっくりと煮ます。
5. 生大豆粉を加え、さらに煮ます。
6. 薄口醤油と味付けした具を加え、流し箱に入れて冷やし固めます。
7. 出来上がったら切り分け、からし酢味噌をかけて完成です。

主な伝承地域:今治地域
主な使用食材:いぎす、エビ、エビのゆで汁、生大豆粉

Information

名称
いぎす豆腐
(とうふ)

今治

愛媛県