野間馬ハイランドは、愛媛県今治市に位置し、日本在来馬の一種である野間馬を飼育・展示している今治市立の施設です。この施設は、野間馬の保存と普及、そして市民や観光客との交流を目的として設立されました。園内では、野間馬をはじめとするさまざまな動物と触れ合うことができ、家族連れや観光客にとって人気のスポットとなっています。
野間馬ハイランドには、野間馬が自然の中で放牧されている放牧場があります。訪問者は、ここで野間馬を間近で観察し、その穏やかな姿に触れることができます。放牧場では、野間馬が自由に草を食む様子や、仲間同士で遊ぶ様子など、野生に近い環境での野間馬の生活を体感できます。
園内には、小動物の飼育小屋もあり、ウサギやモルモットなどの小動物と直接触れ合うことができます。これらの動物たちは、訪問者が手で撫でたり餌をあげたりすることができ、特に子供たちに人気です。小動物と触れ合うことで、動物への関心や理解を深めることができます。
野間馬ハイランドでは、実際に野間馬に乗っての乗馬体験も提供しています。子供向けのコースがあり、安全な環境で乗馬を楽しむことができます。乗馬体験は、土日祝日を中心に行われており、子供たちが野間馬に触れ合いながら、馬に乗る楽しさや魅力を体感できる貴重な機会となっています。
わんぱく広場は、家族連れに人気の遊び場です。ここには、様々な遊具が設置されており、子供たちが自由に遊ぶことができます。広々とした空間の中で、親子で遊んだり、ピクニックを楽しんだりすることができるため、野間馬ハイランドのもう一つの魅力となっています。
野間馬は、日本在来馬の一種として、愛媛県今治市で飼育されています。その起源は江戸時代に遡り、伊予松山藩藩主の松平定行が、来島海峡の小島に馬を放牧したことから始まりました。これがきっかけで、現在の野間馬の基礎が作られました。
野間馬は、体高110~120センチメートルと小型で、ポニーに分類されます。主に栗毛や鹿毛の毛色を持ち、温和で賢い性格が特徴です。かつては農耕や荷物の運搬に活躍していましたが、明治時代以降、農業の機械化が進むと、その数は減少し、一時は絶滅寸前まで追い込まれました。しかし、1978年に今治市の篤志家からの寄贈をきっかけに、野間馬保存会が結成され、現在では約50頭にまで回復しています。
野間馬の保存活動は、地元の篤志家や今治市の協力によって進められており、1985年には野間馬が日本の在来馬として公式に認定されました。さらに、1988年には今治市の天然記念物にも指定されました。現在では、野間馬ハイランドをはじめとする施設で飼育され、観光資源としてだけでなく、教育活動や動物療法にも利用されています。
野間馬ハイランドの開園時間は、通常10:00~18:00ですが、11月から3月の期間は17:00までとなります。乗馬体験は、土日祝日に限り、10:00~12:00と13:00~15:00に開催されています。
火曜日は乗馬体験と売店が休業となり、また12月29日から1月1日までは全施設が休園となります。入場料は無料で、乗馬体験は1周200円(小学生限定)で楽しむことができます。
野間馬ハイランドは、野間馬を通じて日本在来馬の保護と普及を図るとともに、訪問者が自然と触れ合い、動物の温かさを感じることができる貴重な場所です。今治市を訪れる際には、ぜひ立ち寄り、野間馬の歴史と魅力を体感してください。