一般的に串刺しにされてることが多い焼き鳥とは違い、串に刺さず鉄板焼で焼くのが今治のスタイル。鉄板焼スタイルになった理由は、今治の人の気質にあるという。今治には商売人が多く、せっかちな人が多いため、より早く提供できる方法としてこのスタイルが考案されたそうだ。
焼く際にも鉄板の上で転がすだけでなく、肉の上に数キロの重しをのせて、押えつけることで、より早く焼きあげるという徹底ぶり。鉄板に挟まれて焼いた肉は、中までよく火が通り、肉からしみ出た脂から揚げたような香ばしさが出る。手早く肉の旨味を引き出して味わうのが“今治焼き鳥”だ。
「今治焼き鳥」とは、串に刺さっていない鶏皮を鉄板で焼き、小さな板状の鉄の重しを使ってプレスして作る焼き鳥の一種です。この調理法は約50年前に考案され、今治地域ならではの独自のスタイルとなっています。厚い鉄板で鶏皮を焼くことで、脂が出て揚げられ、プレスすることで蒸されるため、火の通りが早く、素早く提供できます。今治では商売人が多く、待つことが嫌いな気質とされており、このスタイルは地域の人々に合っているため人気を集めました。かつては100軒以上の店があったほどです。
「今治焼き鳥」の代表的なメニューは皮で、最初に皮を食べ、最後には「せんざんき」と呼ばれるから揚げを食べるのが一般的です。鉄板はやや斜めに取り付けられており、余分な脂を落とす工夫がされているため、皮の旨味を残しながら、あっさりとした味わいを楽しむことができます。
「今治焼き鳥」は通年で提供されており、居酒屋などでは様々な味付けが楽しめます。店舗で提供されることが一般的であり、皮を鉄板で焼きながら外側を香ばしくカリッと焼き上げ、皮を食べた後に「せんざんき」を楽しむのが一般的な食べ方です。
主な伝承地域：今治市を中心に県内全域
主な使用食材：鶏肉