かわら館は、愛媛県今治市菊間町にある、菊間瓦の歴史や伝統、そしてその製作工程を紹介する博物館です。愛媛県の伝統産業である「菊間瓦」を中心に展示されており、瓦に関するさまざまな資料や作品を鑑賞できます。施設は「瓦のふるさと公園」内に位置し、美しい自然に囲まれた環境で、訪れる人々に菊間瓦の魅力を伝えています。開館は1997年(平成9年)7月17日で、以降、多くの来館者が訪れています。
かわら館では、菊間瓦の歴史や製作工程を紹介する常設展示を行っています。特に注目すべきは、広島市への原子爆弾投下によって発生した熱線を受けた瓦や、鬼瓦、日本以外の瓦など、さまざまな瓦にまつわる貴重な資料が展示されています。これらの展示を通して、瓦の歴史的背景や日本における瓦文化の重要性を学ぶことができます。
1階では、菊間瓦の製作工程を詳しく紹介しており、瓦がどのように作られ、どのように発展してきたかを知ることができます。また、菊間瓦が繁栄した時代の様子を、ミニチュア模型や時代絵巻で表現しており、700余年にわたる菊間瓦の歴史を理解することができます。
広島平和記念館より永久貸与された被爆瓦も展示されており、原子爆弾の強烈な破壊力と悲惨さを伝える貴重な資料です。また、館内には日本全国の鬼師によって作られた珍しい鬼瓦や、屋根瓦なども展示されています。これらの展示物は、瓦文化の多様性や鬼師たちの技術の高さを感じさせます。
1階には、毎年行われる菊間祭りの「お供馬の走り込み」をモチーフにした大レリーフや、皇居に献上された御所鬼の木型パネルなどが展示されています。また、瓦の製造工程を紹介するビデオも放映しており、来館者が瓦作りのプロセスをより深く理解できるようになっています。
2階は常設展示室となっており、菊間瓦が繁栄した時代の様子をミニチュア模型や時代絵巻で再現しています。また、瓦の灯籠や被爆瓦など、歴史的に貴重な瓦の数々が展示されています。これらの展示を通して、菊間瓦がいかにして愛媛県の伝統産業として発展してきたかを知ることができます。
3階の展示室には、珍しい鬼瓦や屋根瓦、そして日本各地で活躍する鬼師たちの作品が展示されています。また、瓦造りの道具や、世界各国の瓦なども紹介されており、瓦文化の広がりと深さを感じることができます。和室「瓦楽庵」では、瓦で作られた日本庭園を鑑賞することもできます。
4階は特別展示室となっており、菊間地区出身の芸術家たちの作品が展示されています。絵画や工芸品など、さまざまな分野で活躍する地元出身の芸術家たちの作品を通して、菊間の文化と芸術の豊かさを感じることができます。
かわら館の最寄り駅はJR四国予讃線の菊間駅です。駅から南へ約100メートルの距離にあり、徒歩数分でアクセスできます。車での来館も可能で、駐車場も完備されています。
かわら館の開館時間は、通常午前9時から午後5時までです。休館日は毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)および年末年始となっています。団体での見学や研修室の利用を希望される場合は、事前に予約が必要です。
かわら館は、菊間瓦の歴史や伝統、製作工程を学べる貴重な博物館です。日本の瓦文化の深さと多様性を感じることができるこの施設は、観光や学習の場として訪れる価値があります。愛媛県を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。