湯ノ浦温泉は、愛媛県今治市の南東に位置する温泉郷です。美しい白砂と青松が広がる桜井海岸を望む高台にあり、豊かな自然環境と共に良質な温泉が楽しめます。温泉の湧出量は1日あたり約1,200トンと非常に豊富で、ラドンやフッ素を含む成分が特徴です。その高い効能から、NPO法人「健康と温泉フォーラム」が選定する「温泉療法医がすすめる 名湯百選」にも選ばれています。
湯ノ浦温泉の温泉街には、18種類の浴槽とプールを備えた多目的温泉保養施設「クアハウス今治」や、地元で醸造されたビールを楽しめる「四季の湯ビア工房」があります。また、ホテルと日帰り入浴施設がそれぞれ一軒ずつ存在し、日帰りでも宿泊でも温泉を楽しむことができます。
温泉街の周辺には、桜井総合公園やトリムコース、遊歩道が整備されており、グランド、テニスコート、サッカー場などの施設が点在しています。これらは総合レクリエーションゾーンとして、温泉とスポーツを楽しむことができるエリアです。さらに、国道196号沿いには道の駅「今治湯ノ浦温泉」もあり、旅の休憩スポットとして人気です。ここには温泉スタンドがあり、車で訪れた際にも温泉水を持ち帰ることができます。
湯ノ浦温泉には、「ホテルアジュール汐の丸」と「クアハウス今治」という2つの宿泊施設があります。これらのホテルでは、温泉にゆったりと浸かりながら瀬戸内の美しい景色を楽しむことができ、心身ともにリフレッシュできます。また、かつては「今治湯ノ浦ハイツ」や「ケーオーホテル」も営業していましたが、現在は閉館しています。
湯ノ浦温泉は、比較的新しい温泉地であり、昭和51年(1976年)に開発されました。しかし、この地域には古くから「光明皇后ゆかりの湯」として良質の温泉が湧き出ており、湯治場としても知られていました。平成6年(1994年)4月28日には、四国で初めて国民保養温泉地に指定され、その効能の高さと環境の良さが認められています。
湯ノ浦温泉は、単純弱放射能冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)として知られています。これは、微量の放射性成分を含む冷鉱泉であり、体に優しいアルカリ性の性質を持ちます。温泉のph値は7.9で、肌にやさしい効果があります。また、ラドンの含有量は34.7×10⁻¹ºCi/kg(9.54M・E/kg)とされています。
湯ノ浦温泉は以下の症状をお持ちの方には適していません:急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)。
一方で、湯ノ浦温泉は以下の症状に効果的です:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進。
湯ノ浦温泉へは、JR予讃線の今治駅からバスで約30分、または壬生川駅からバスで約20分の距離です。公共交通機関を利用することで、気軽に訪れることができます。
車でのアクセスも便利です。今治小松自動車道の今治湯ノ浦ICからは車で3分、西瀬戸自動車道(しまなみ海道)の今治ICからは車で約20分の距離にあります。駐車場も完備されており、観光やドライブの途中に立ち寄るのにも最適です。
湯ノ浦温泉の周辺には、桜井石風呂や桜井総合公園、道の駅「今治湯ノ浦温泉」などの観光スポットがあります。桜井石風呂は、古くから続く石風呂文化を体験できる場所で、地元の歴史と伝統に触れることができます。また、桜井総合公園は広大な敷地を誇り、自然を満喫できる憩いの場です。
湯ノ浦温泉は、豊富な湧出量と良質な成分を誇る温泉地で、美しい自然環境とともに癒しのひとときを提供しています。温泉療法医がすすめる名湯としても評価されており、体の内外から健康を促進します。温泉街には宿泊施設やレクリエーション施設が充実しており、訪れる人々にさまざまな楽しみ方を提供しています。ぜひ、湯ノ浦温泉で日常の喧騒を忘れ、心身をリフレッシュさせてみてはいかがでしょうか。