岩城島は愛媛県北東部に位置する美しい離島で、芸予諸島に属しています。島の中心には標高370メートルの積善山がそびえ、豊かな自然や歴史が息づく魅力的な観光地です。
岩城島のシンボルである積善山は、特に春の桜のシーズンに多くの観光客が訪れる場所です。山頂には約3,000本もの桜が咲き誇り、島全体がピンク色に染まる光景は圧巻です。桜の季節には、花見を楽しむ家族連れや、カメラを片手に散策する観光客で賑わいます。
積善山の山頂からは、周囲の島々や瀬戸内海を一望できる絶景が広がります。生口島や因島などの島々が点在する風景は、まるで絵画のような美しさです。特に夕暮れ時の景色は、訪れた人々の心を癒します。
1985年から「青いレモンの島」としてPRされてきた岩城島は、レモンの栽培で知られています。島の特産品であるレモンを使った様々な商品があり、観光客にも大変人気です。新鮮なレモンを使ったジュースやレモンケーキは、訪れた際にぜひ味わってみたい逸品です。
レモンを利用した産業振興策が進められ、現在では観光客の手土産としても人気の高い商品が多数展開されています。レモンポークやレモン加工品なども注目の名産品です。
岩城島は、その歴史も豊かで、古くから人々が住み、文化が発展してきました。弥生時代の高地性集落である積善山遺跡や、生名島の磐座祭祀遺跡など、歴史的な遺構も島内に点在しています。また、島の古名である「石城」に由来する説もあり、古代からの地名として知られています。
中世には、村上水軍が岩城島を支配していたことがあり、瀬戸内海における要所として重要な役割を果たしていました。周囲の海域では、海賊が横行していた時代もあり、海とともに生きた歴史が感じられる場所です。
岩城島の産業は、長い歴史の中で多様に発展してきました。室町時代にはすでに塩田が開かれ、製塩が盛んに行われていました。江戸時代には商業や廻船業が栄え、多くの問屋が並び、港町としても繁栄しました。現在では、農業や漁業が主要な産業となり、柑橘類の栽培や漁業が盛んです。
岩城島周辺の漁場では、マダイやメバルなどの多様な魚種が漁獲され、一本釣りや刺し網などの漁法が行われています。また、農業では柑橘類が主力で、特にレモンやウンシュウミカンが有名です。
岩城島へのアクセスは、因島や今治からのフェリーや高速艇が主な手段です。岩城港からは因島や生口島を結ぶ航路があり、観光客にも利用しやすい環境が整っています。また、上島架橋が2022年に開通し、島間のアクセスがさらに便利になりました。
岩城島は、しまなみ海道の一部としてサイクリングロードが整備されており、サイクリストにとっても魅力的な観光地です。島内を一周する道路にはブルーラインが引かれ、気軽にサイクリングを楽しむことができます。
岩城島には、歴史的な名所や自然の美しい景観が多数あります。積善山スカイラインからの眺望や、古代巨石信仰の名残である妙見メンヒルなど、見どころが豊富です。また、島の豪商三浦家の屋敷を改修した岩城郷土館も、島の歴史を学べるスポットとして人気です。
岩城島の特産品としては、柑橘類(レモン、ライム、八朔、ウンシュウミカン)が挙げられます。また、レモンを使った加工品やレモンポーク、さらにしいたけや芋菓子、ひじきなどの農産物・海産物も名産です。
岩城島は、豊かな自然と長い歴史を持つ魅力的な離島です。積善山の桜や青いレモンの島としての産業振興、サイクリングやグリーンツーリズムなど、訪れる人々を魅了する観光資源が満載です。瀬戸内海の美しい景観とともに、歴史や文化に触れながら、ゆったりとした時間を楽しめる岩城島を、ぜひ訪れてみてください。