竹林寺は、愛媛県今治市古谷に位置する高野山真言宗の寺院です。本尊は文殊菩薩で、「日本三所霊場 知恵文殊菩薩」の一つとして知られています。この霊場は他に高知市の竹林寺と、現在は廃寺となった鳴門市の竹林寺が含まれます。また、竹林寺は新四国曼荼羅霊場の第39番札所でもあります。
竹林寺の歴史は、聖武天皇の時代に遡ります。越智大領の小千守興（おちのおおげん こちもりおき）が発願し、観量僧によって開基されました。当初は盧舎那仏像を本尊として祀り、真如坊と呼ばれていましたが、755年（天平7年）、行基が巡錫の際に立ち寄り、中国の五台山に倣って文殊菩薩を本尊として竹林寺と改名しました。その後、弘法大師が竹林寺を訪れ、観光上人に文殊菩薩の五百万遍秘法を伝授したとされています。
竹林寺の境内には、いくつもの重要な建物が点在しています。
竹林寺の山門から境内に入ると、右手に石柱門があります。この石柱門を過ぎた先に石段があり、石段を上がった先に本堂エリアが広がっています。
本堂は平成6年に再建されました。本尊の文殊菩薩は秘仏で、普段は拝観することができませんが、平成22年11月に開帳されました。本堂の前からは、今治市南部の美しい景色が一望できるスポットとしても有名です。
祇園堂の本尊は僧形神立像ですが、この像は現在他所の博物館に移管されています。
さらに、竹林寺の境内には、正岡紀伊守経長（1585年没）と長井忠五衛門（1755年没）の墓所があり、正岡紀伊守経長は鷹取山城の城主として知られ、長井忠五衛門は土木技術者として水不足の解消に尽力した人物です。
竹林寺にはいくつかの重要な文化財が残されています。
竹林寺へは以下の交通手段でアクセスできます。
最寄り駅は、四国旅客鉄道（JR四国）予讃線の今治駅です。駅からはタクシーで約20分の距離にあります。
自動車で訪れる場合、山門の下段に無料の大駐車場があり、便利です。
竹林寺は、新四国曼荼羅霊場の第39番札所に指定されています。前後の札所は以下の通りです。