別宮大山祇神社は、愛媛県今治市に位置する神社で、伊予国一宮である大山祇神社の別宮として知られています。旧社格は県社であり、新四国曼荼羅霊場の第40番札所に指定されています。本宮である大山祇神社とは深い関わりがあり、歴史的にも多くの信仰を集めてきた神社です。
別宮大山祇神社は、今治市の中心部に位置し、国道317号に面して鎮座しています。瀬戸内海の大三島にある大山祇神社の別宮であり、本宮と同様に大山積大神を祀っています。かつては、本宮と並ぶほどの威容を誇っていたと伝えられ、戦国時代に建てられた拝殿は現在でも愛媛県の有形文化財に指定されています。
境内に入るとまず目に入るのは、荘厳な鳥居です。鳥居には「日本総鎮守 三島地御前」と記されており、本宮である大山祇神社とのつながりを感じさせます。
当社の祭神は、大山積大神(おほやまつみおおかみ)です。この神は本宮である大三島から勧請されたもので、社名と祭神の表記が異なるのも特徴です。大山積大神は、日本の山岳信仰において重要な神であり、特に瀬戸内地域では広く信仰されています。
別宮大山祇神社の創建は大宝3年(703年)に遡ります。越智玉澄が文武天皇の勅命を受けて、大三島から祭神を越智郡日吉郷に勧請し、別宮として建立したことが始まりです。社殿が完成したのは和銅5年(712年)とされており、本宮よりも早く社殿が建立されたという説もあります。
拝殿は天正3年(1575年)に来島通総によって再建され、愛媛県の有形文化財に指定されています。桁行5間、梁間4間、一重、切妻造檜皮葺の構造で、拝殿の前拝部分は享保4年(1719年)に増築されました。昭和37年(1962年)には、解体修理復元工事が行われ、現在の姿を保っています。
明治初年に神仏分離が行われ、当時の別当寺であった南光坊と分離されました。その後、昭和20年(1945年)には、米軍の空襲によって境内の多くの建物が焼失しましたが、本殿と絵馬堂は奇跡的に焼失を免れました。その後、絵馬堂を元の位置に戻し、再び拝殿として使用されています。
祭神は磐長姫大神で、大三島にある阿奈波神社の別宮として祀られています。
奈良原神社は、旧越智郡玉川町の山頂にあった奈良原神社から分霊され、当社の境内に勧請されています。
清高稲荷神社は、稲荷神を祀る摂末社で、古くから地域の守護神として信仰を集めています。
荒神社の祭神は三宝荒神と大穴牟遅神で、寛政6年(1794年)に摩利支天宮として建てられた社殿を有しています。
別宮大山祇神社には、以下の愛媛県指定の有形文化財があります。
また、今治市指定の文化財も数多く存在します。
当社の境内には、クスノキが昭和49年7月6日に今治市の天然記念物として指定されています。
別宮大山祇神社では、年間を通じて多くの祭事が行われています。主な祭事は以下の通りです。
別宮大山祇神社へのアクセスは以下の通りです。
JR四国予讃線「今治駅」から徒歩約8分で到着します。
当社の近くには、四国八十八箇所霊場の第55番札所である「南光坊」があり、あわせて参拝することができます。