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別子銅山記念館

(べっし どうざん きねんかん)

別子銅山記念館は、愛媛県新居浜市の山根公園に隣接する博物館です。この記念館は、元禄年間から約280年にわたり、日本の貿易と産業を支え、現在の住友グループの基盤を築いた別子銅山の歴史や技術を後世に伝えるために、1975年(昭和50年)に住友グループ各社が共同で設立しました。別子銅山の麓に位置し、周囲には住友各社の工場が多く集まり、現在もその名残を感じさせる地域です。

記念館の立地と建物の特徴

記念館は、かつて別子銅山で働いていた従業員のための社宅や厚生施設があった山根地域の厚生施設跡地に整備された山根公園の南部にあります。ここは市の平野部と山岳部の境界に位置し、現在では住宅地や総合運動公園などが整備され、市民の生活・憩いの場として重要な役割を果たしています。

記念館は、大山積神社の境内にあり、山の斜面を利用した半地下構造を持っています。屋根には1万本を越えるサツキが植えられており、自然と調和した景観を保ちながら存在感を放っています。

館内の展示内容

記念館は、銅山や住友の歴史を紹介する6つの展示コーナーから構成されています。これらのコーナーは、銅山に関する様々な情報や、当時の生活、地質、技術について詳細に説明しており、単なる資料館を超えた立派な博物館として整備されています。

展示コーナーの紹介

館外の展示物

館外には、日本初の山岳鉄道である鉱山列車「別子1号」や、鉱山で使用されていた各車両の現物が展示されています。これらの展示物は、明治期の近代化に貢献した鉄道技術を知る貴重な資料であり、別子銅山の発展を支えた重要な要素です。

主要な展示物

利用情報

周辺の関連遺産

記念館周辺には、別子銅山に関連する多くの歴史的遺産があります。これらの遺産は、当時の銅山事業の規模やその影響を今に伝える貴重な存在です。

山根競技場観覧席

山根競技場の観覧席は、1928年(昭和3年)に住友社員の奉仕作業により建設されたもので、高さ14m、幅170m、最大170段の石積みで構成されています。2009年(平成21年)8月7日に国の登録有形文化財に登録されました。

旧山根製錬所煙突

新居浜市角野新田町にあるこの煙突は、1888年に完成し、別子銅山の製錬事業を山中から市街地の山根製錬所に移転するために建設されました。四角形平面の煉瓦造で、高さ19mのこの煙突は、2009年(平成21年)に国の登録有形文化財に指定されました。

大山積神社

元禄4年(1691年)6月、別子銅山開業の際に鎮護の神として大三島より銅山峰嶺南の旧別子に勧請された大山積神社は、1928年(昭和3年)に現在の位置に遷座されました。

山根収銅所

山根収銅所は、坑内排水に含まれる銅成分を取り除くための設備で、1905年(明治38年)に建設されました。現在も稼働中で、記念館の西側の内宮神社の下に位置しています。

立川中宿・立川精銅所跡

立川中宿は、別子銅山と口屋との間の粗銅や生活物資を運搬する中継基地として1702年(元禄15年)に設置されました。1869年(明治9年)からは立川精銅所が置かれましたが、1888年(明治21年)に惣開に精銅所ができるとその役割を終えました。

まとめ

別子銅山記念館は、住友グループの歴史と銅山の発展を深く理解できる貴重な施設です。愛媛県新居浜市を訪れた際には、ぜひ立ち寄って別子銅山の歴史に触れてみてください。

Information

名称
別子銅山記念館
(べっし どうざん きねんかん)

新居浜・西条・石鎚山

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