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睍壽院

(けんじゅいん)

睍壽院は、愛媛県四国中央市に位置する真言宗御室派の寺院で、四国三十六不動霊場の第二十五番札所として信仰を集めています。寺院の本尊は不動明王坐像で、その力強い姿が多くの参拝者の心を惹きつけています。睍壽院は、訪れる人々に静寂と心の安らぎを提供する場所として広く知られています。

睍壽院の歴史

睍壽院の歴史は、行基菩薩が開創したと伝えられています。行基がこの地を行脚した際、草庵を建て、陶磁器の製法を地元の人々に広め、地域社会の発展に寄与したとされています。その後、戦国時代の戦乱により寺院は一度焼失しましたが、再興され、さらに享和二年には京都の大覚寺の直末となり、寺院としての地位を確立しました。天保十二年には「大覚寺塔中、常住金剛院の室永兼帯睍壽院」として公認され、当時一世を風靡するほどの栄華を誇りました。

寺院の文化と行事

睍壽院では、毎年1月28日に「初不動」として大般若会が開催されます。この行事では、本尊である不動明王坐像が開帳され、参拝者は不動明王の記念散華を手に入れることができます。また、うどんの接待や餅まきも行われ、地域の人々に親しまれている行事です。

さらに、通年で納経を行った際には、かわいらしいイラストが描かれたお守り散華が授与されます。この散華には、不動明王や毘沙門天、地蔵菩薩、観音菩薩、薬師如来、弘法大師といった6種類の絵柄があり、2か月ごとに絵柄が変わるため、何度訪れても楽しめます。

境内の見どころ

山門

睍壽院の山門は楼門形式で、歴史を感じさせる重厚な造りです。寺伝によると、この山門は弘化年間に建てられたとされています。訪れる者を静かに迎えるこの門は、寺院の荘厳さを象徴しています。

鐘楼堂

鐘楼堂は腰袴形式で、山門と同じく弘化年間に建立されたものです。参拝者は、鐘を撞きながら心を落ち着け、日常の喧騒から離れたひとときを過ごすことができます。

不動の池

不動の池は、境内の中でも特に印象的なスポットです。この池には不動明王と観世音菩薩が祀られており、忿怒と慈悲という仏教の二つの重要な教えを表現しています。池の周りを歩きながら、訪れる人々は自然の美しさと仏の教えを感じることができます。

本堂

昭和59年5月、弘法大師御忌記念事業として再建された本堂は、睍壽院の中心的な場所です。ここに祀られているのは、不動明王の坐像で、堂内に入るとその荘厳な姿に圧倒されることでしょう。不動明王は、参拝者の迷いを打ち砕き、正しい道へ導くとされています。

春日堂

春日堂は、当山の鎮守堂で、平成3年に再建されました。鎮守堂としての役割を果たし、睍壽院の守護神が祀られています。参拝者は、ここで日々の安全や繁栄を祈願することができます。

交通案内

睍壽院へのアクセスは、車や公共交通機関を利用することができます。松山自動車道土居インターから車で約5分、またはJR予讃線伊予土居駅からタクシーで約3分という便利な立地です。土居町中村交差点からは、車で約1kmほどの距離に位置しています。駐車場も30台分のスペースが用意されているため、車で訪れる方にも安心です。

睍壽院の魅力

睍壽院は、その歴史と文化、そして四国三十六不動霊場の札所として多くの参拝者に愛されています。不動明王の坐像や、美しい境内の風景、歴史的な建造物は、訪れる人々に深い感銘を与えます。また、初不動の行事や納経時のお守り散華など、独自の文化も楽しむことができるため、何度訪れても新しい発見があります。

睍壽院は、静寂と歴史が交差する場所として、訪れる人々に心の安らぎと癒しを提供しています。ぜひ、この機会に睍壽院を訪れ、仏教の教えや自然の美しさを感じてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
睍壽院
(けんじゅいん)

新居浜・西条・石鎚山

愛媛県