マイントピア別子は、愛媛県新居浜市に位置するテーマパークで、かつての別子銅山の施設跡を利用して作られています。道の駅「マイントピア別子」も併設されており、観光客に人気のスポットとなっています。施設内には温泉や観光鉄道、歴史的な建造物が数多くあり、別子銅山の歴史を体感できる場所です。
マイントピア別子には、二つの主要なゾーンが存在します。ひとつは、最後の採鉱本部が置かれていた「端出場(はでば)ゾーン」、もうひとつは最盛期の拠点であった「東平(とうなる)ゾーン」です。それぞれのゾーンで異なる体験ができ、別子銅山の歴史を深く知ることができます。
端出場ゾーンは、新居浜市街から国領川上流部のほぼ中央に位置し、愛媛県道47号新居浜別子山線を通ってアクセスできます。本館には別子温泉「天空の湯」、キッズパーク、飲食・土産物コーナー、子供太鼓台展示・イベント展示場などがあります。さらに、本館2階の「端出場駅」から観光鉄道に乗り、約400メートル離れた鉱山観光エリアに行くことができます。
観光鉄道では、かつて住友別子鉱山鉄道で走っていた蒸気機関車「別子1号」をやや小さく復元した電気駆動式の列車が使用されています。観光鉄道は片道3〜4分で、江戸時代と近代の別子銅山の様子が再現された観光坑道(長さ333m)にアクセスできます。観光坑道では、旧火薬庫を改造した展示が行われており、別子銅山の歴史を学べます。
端出場ゾーンの屋外には、砂金採り場やバーベキュー食堂、季節の花園・芝生広場、イベント場などが広がっています。花園ではソシンロウバイ、山桜、里桜、染井吉野、ミツマタ、サンシュユ、シャクヤク、カラー、金糸梅、マリーゴールド、サルビアなどが季節ごとに咲き誇り、訪れる人々を楽しませています。
東平ゾーンは端出場ゾーンからさらに山側にあり、標高750メートル付近に位置しています。かつて別子銅山の採鉱本部が置かれており、現在は「東洋のマチュピチュ」とも称されています。こちらのゾーンでは、生活の様子を模型や映像で紹介する「東平歴史資料館」や、銅板レリーフなどを体験できる「マイン工房」があり、産業遺跡も整備されています。
マイントピア別子は、1991年(平成3年)6月5日に銅山のテーマパークとしてオープンしました。この場所はかつて、別子銅山の最後の採鉱本部が置かれていた場所で、昭和5年(1930年)に東平から移転してきました。明治26年(1893年)に下部鉄道の始発駅が完成して以来、別子銅山の重要な中継地点として、昭和48年(1973年)の閉山まで活用されていました。
JR新居浜駅から、せとうちバスもしくは新居浜市運営のコミュニティバスに乗車し、車で約15分の距離です。施設内には無料の大駐車場も完備されており、観光鉄道の乗車や鉱山観光、温泉入浴などを楽しむことができます。
東平ゾーンへは、県道からの進入路が崖崩れの影響で一時閉鎖されていましたが、現在は再開しており観光が可能です。アクセスには車が便利で、駐車場も完備されています。