住友化学愛媛工場歴史資料館は、愛媛県新居浜市に位置し、住友化学株式会社愛媛工場の新居浜地区に隣接する歴史的資料館です。住友化学の発展の歴史を知ることができる貴重な施設であり、愛媛の産業遺産の一つです。
当資料館では、住友化学の前身である住友総本店直営肥料製造所が設立された時から、現在に至るまでの資料を展示しています。住友化学の歴史だけでなく、日本の近代化学工業の発展を知ることができる展示が揃っています。
建物自体は、元々1901年(明治34年)に住友銀行新居浜支店として建てられたもので、1958年(昭和33年)まで銀行として使用されていました。その後、2001年(平成13年)には登録有形文化財に登録され、さらに2007年(平成19年)には近代化産業遺産として認定されました。歴史的な価値を持つ建物の中で、住友化学の発展の軌跡をたどることができます。
館内は一部が二階建てで、6つのセクションに分けて住友化学の歴史が紹介されています。各セクションでは、会社の設立から発展、そして戦後の復興といった歴史的な出来事を時代ごとに振り返ることができます。
2階には戦後の新居浜市の写真が展示されており、地域と工場の結びつきが感じられる内容になっています。
住友化学愛媛工場歴史資料館の屋外には、貴重な産業遺産が展示されています。
1927年(昭和2年)に住友別子鉱山機械課で製作されたこの牽引電車は、構内で燐鉱石などを運搬するために使用されていました。1964年(昭和39年)まで稼働していたこの電車は、今でも保存されており、当時の産業技術の一端を垣間見ることができます。
1890年(明治23年)、別子開坑200年祭を記念して建てられた「總開之記」碑も展示されています。この碑には、当時の書家である高橋泥舟の書が刻まれており、住友別子鉱山の歴史を象徴する重要な遺物です。
住友化学愛媛工場歴史資料館は、午前9時から午後4時まで開館しています。土曜日・日曜日、そして国民の祝日は休館日となっているため、事前の確認が必要です。また、入館は無料ですが、事前予約が必要ですのでご注意ください。
新居浜市内の交通機関を利用してアクセスすることができますが、訪問の際は事前に予約を取ることをお勧めします。歴史ある建物の中で、日本の化学工業の歴史を学ぶことができる貴重な施設です。