東臺神社は、愛媛県新居浜市に鎮座する歴史ある神社です。旧社格は村社であり、古くから地元の人々に信仰されてきました。
この神社の主祭神は菊理比咩命(くくりひめのみこと)であり、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)が配祀されています。神紋は「十六菊」であり、格式ある神社であることを示しています。
社伝によれば、「東台三所大権現は紀伊国熊野三所大権現と同体也」と記されており、神社の歴史は紀伊国熊野三所大権現と深い関わりがあります。神社の鎮座年は不詳ですが、天正の陣の際に浦渡神社と共に社殿や宝物が焼失してしまった歴史があります。
東臺神社の境内には昭和52年4月7日に新居浜市によって指定された石造美術の狛犬が鎮座しています。古くから宮殿や神社の前には、守護神的な意味合いを持つ石彫の獅子や狛犬が配置されてきました。
この神社にある狛犬は、彫りが浅く、装飾性は少ないものの、非常に堂々とした佇まいです。口を開けた阿形(牡)と、口を閉じた吽形(牝)の一対が並んでいます。狛犬を支える台座も非常に端正で、質の高い石造美術作品として評価されていますが、石工の名前は不明です。
東臺神社の境内には、樹齢千年以上の大楠をはじめ、三百年以上の檜、樫、松、杉などの木々が群生しています。これらの豊かな自然に囲まれた神社は、参拝者に静寂で荘厳な雰囲気を提供します。
神社は松山自動車道新居浜インターチェンジから国道11号新居浜バイパスを経由してすぐの場所にあり、アクセスも良好です。
東臺神社では、年間を通じてさまざまな祭事が行われており、地域の人々に親しまれています。以下は、主な年中行事の一覧です。
これらの行事に加え、その他のご祈祷やご祈願も行われており、多くの参拝者が訪れています。
東臺神社の境内には、幸神社(こうじんじゃ・御食津神)が祀られており、参拝者に対して福徳を授ける場となっています。また、境外神社として荒神社(光明寺)も存在しています。
毎年秋に開催される新居浜太鼓祭りでは、神社のある上部地区の太鼓台のうち、東田太鼓台が平成20年より宮出・宮入に参加しています。この祭りは地域の伝統行事であり、多くの観光客や地元の人々が訪れ、賑わいを見せます。
この神社にある狛犬は、石造美術として非常に貴重なものです。狛犬は古来より神社の前に置かれることが多く、神聖な場所を守護する役割を果たしてきました。東臺神社の狛犬は昭和52年に市指定の石造美術として認定され、素朴ながらも力強い姿で参拝者を迎え入れます。
東臺神社は地域の中心的な存在であり、神聖な祭事や行事が行われるほか、自然の豊かさと歴史的な建造物が調和した美しい神社です。四季折々の風景が楽しめ、特に秋の太鼓祭りでは神社を訪れる人々で賑わいます。