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横峰寺

(よこみねじ)

横峰寺は、愛媛県西条市小松町にある真言宗御室派の寺院です。山号は石鈇山(いしづちざん)、院号は福智院(ふくちいん)といい、本尊は大日如来が祀られています。四国八十八箇所霊場の第六十番札所で、石鎚山の西遥拝所としても知られています。

横峰寺の歴史

寺の起源

横峰寺の歴史は651年(白雉2年)に遡ります。伝承によれば、修行僧である役行者が石鎚山を臨む星ヶ森で修行をしていた際に、蔵王権現が出現し、その姿を石楠花の木に刻んで祀ったことが寺の始まりだと伝えられています。その後、行基が天平年間(729年 – 748年)に入山し、さらなる寺の発展に寄与しました。

桓武天皇と延暦年間の逸話

延暦年間(782年 – 806年)には、住持石仙が桓武天皇の病を平癒させたことから「菩薩号」を賜り、寺には金の御幣が奉納されたとされています。また、806年 – 810年には弘法大師(空海)が入山し、星供養の修法を行った際、大日如来を本尊とし、寺院を整備したとされています。

横峰寺の建造物と文化財

本堂

横峰寺の本堂は、金剛界大日如来像を本尊としています。この像は秘仏で、全身と光背が金色に輝く美しい坐像です。また、本尊の左には蔵王権現立像、右には石仙菩薩が祀られています。いずれも秘仏ですが、特別な拝観の際にはその姿を目にすることができます。

大師堂

本堂の向かいに位置する大師堂には、2014年に修繕された弘法大師像が祀られています。かつてはこの堂に大日如来、如意輪観音、弘法大師が並んで祀られていました。

その他の建造物

基本情報

本尊真言: おん あびらうんけん ばざらだどばん

ご詠歌: たて横に峰や山辺に寺建てて あまねく人を救ふものかな

納経印: 本尊の他、奥の院 星ヶ森・石鈇大権現、四国(東予)七福神・大黒天の印を受けることができます。

アクセスと参拝道

かつての険しい遍路道

かつて、横峰寺への参拝は非常に険しい道のりでした。湯波、虎杖、白滝の三カ所のいずれかから険しい遍路道を登る必要がありましたが、1984年(昭和59年)に林道が開通し、参拝がかなり容易になりました。現在では、車で本堂近くの駐車場まで行き、そこから約500mほど歩くだけで到達できます。

横峰寺の選定と景観

横峰寺は、四国八十八景の第63番「霊峰石鎚の真正面~史跡横峰寺道から名勝星ヶ森へ~」に選定されています。標高745mの高さに位置し、伊予国(愛媛県)で2番目に高い場所にあります。そのため、石鎚山を遥拝する絶好の場所であり、自然豊かな景観が広がっています。

横峰寺の文化財

国の名勝と史跡

横峰寺には、国の名勝および史跡として指定されている場所があります。その一つが「星ヶ森」(平成29年10月13日指定)で、石鎚山遥拝所として知られています。さらに「伊予遍路道 横峰寺道」は、国分寺から横峰寺までの遍路道の一部が国の史跡に指定されています。

県指定文化財

交通案内

電車・バス

横峰寺へは、四国旅客鉄道(JR四国)の予讃線を利用し、伊予小松駅からバスでアクセスすることができます。せとうちバスの「横峰登山口」で下車し、そこから参拝バスに乗り換えて「横峰寺参拝口」で下車、寺院までは徒歩約15分です。なお、冬季(12月21日から2月末日)は参拝バスが運休します。

自家用車

車で訪れる場合、松山自動車道の「いよ小松IC」から約17.5kmの距離にあります。また、平野林道(有料道路)を通って駐車場まで行くことができますが、冬季は積雪に注意が必要です。駐車場には約50台分のスペースがあります。

観光の見どころ

満開のシャクナゲ

横峰寺の境内には、毎年5月上旬になるとシャクナゲが一斉に咲き誇り、多くの観光客が訪れます。特にゴールデンウィークの期間中は、この花を目当てに参拝者が増え、駐車場が満車になるほどの賑わいを見せます。鮮やかなシャクナゲの花々と荘厳な寺院の風景は、訪れる人々に感動を与えることでしょう。

宿坊と駐車場

かつて横峰寺には宿坊がありましたが、現在は宿泊施設はありません。ただし、境内近くには駐車場があり、林道を利用して訪れることができます。横峰寺をゆっくりと巡り、歴史と自然を楽しむためには、早めの到着が望ましいです。

Information

名称
横峰寺
(よこみねじ)

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