鉄道歴史パーク in SAIJOは、愛媛県西条市の伊予西条駅前に位置する観光施設で、鉄道に関連する歴史的な展示や地域の文化紹介を行っています。主に「四国鉄道文化館」「十河信二記念館」「観光交流センター」の3つの施設から構成されており、鉄道ファンや観光客にとって見どころ満載のスポットです。
四国鉄道文化館は、公益財団法人日本ナショナルトラストによって設立された鉄道保存展示施設です。ここでは、かつて四国で使用されていた鉄道車両や関連用品が展示されています。特に目を引く展示物には、新幹線0系電車や国鉄DF50形ディーゼル機関車があり、鉄道ファンだけでなく幅広い年齢層が楽しめます。
四国鉄道文化館は、2007年に開館した北館と、2014年に増設された南館から構成されています。両館の入場券は共通で、展示内容は豊富で見応えがあります。鉄道の歴史や技術に触れながら、さまざまな保存車両や資料を見学することができます。
北館は、木造の展示館で、2両の保存車両を中心に展示が行われています。特に、新幹線0系電車のカットボディとDF50形ディーゼル機関車は、見どころの一つです。また、四国で使用された鉄道用品や資料も豊富に展示されています。
北館の入場券は、隣接する十河信二記念館で購入します。入場券は、昔の鉄道乗車券(硬券)を模したデザインで、「十河信二記念館から四国鉄道文化館行き」と記されています。入場時には、係員が実際に鋏を入れる体験ができ、鉄道ファンにはたまらない演出です。
入場料は、大人300円、小人100円(団体は割引あり)。なお、十河信二記念館や観光交流センターは無料で入場できます。
館内は平屋の構造ですが、螺旋階段でつながる展望デッキから、伊予西条駅や歴史的建造物が一望できます。また、DF50形ディーゼル機関車は、実際に伊予西条駅構内の線路と接続されており、多度津工場から搬入された際にはこの線路が利用されました。
2008年には、キハ65形気動車がJR四国から西条市に貸与され、「急行いよ」のヘッドマークとともに展示されました。この気動車は、その後、南館に保存されています。また、2014年には、DF50形を屋外に移動させ、期間限定で鉄道ホビートレインを展示するイベントも開催されました。
南館は、北館から伊予西条駅を挟んだ反対側に位置しています。連絡は「ぽっぽ橋」と呼ばれる跨線橋で行われます。南館では、C57形蒸気機関車44号機、DE10形ディーゼル機関車1号機、キハ65形気動車の3両が保存展示されています。また、屋外にはフリーゲージトレインの先頭車1両も展示されています。
南館では、C57形蒸気機関車の運転席やキハ65形気動車の車内が常時公開されており、実際に車両の内部に触れることができます。これにより、鉄道ファンはもちろん、子どもたちにも鉄道の魅力を直に感じてもらえる体験が可能です。
南館には、通常30分毎に動かされる大型のジオラマが展示されており、鉄道模型が実際に走行する様子を楽しめます。また、ミニSLも設置されており、家族連れで楽しむことができるアトラクションとなっています。
南館の建設は、伊予西条駅南側の再開発計画と連動して進められ、2012年にその計画が発表されました。南館には、西条市内の公園に保存されていたC57形44号機や、多度津工場から移管されたDE10形1号機、キハ65形気動車が展示されています。C57形については、2014年2月に修理が完了し、現在も美しい状態で展示されています。
十河信二記念館は、新幹線建設の功績で知られる第4代日本国有鉄道総裁十河信二の功績をたたえ、彼の遺品や業績を展示する施設です。愛媛県新居浜市出身の十河信二は、「新幹線の父」としても知られ、日本の鉄道史に大きな足跡を残しました。
記念館には、十河信二の遺品や資料が展示されており、彼の生涯や日本の鉄道における役割について深く知ることができます。さらに、玄関前には彫刻家伊藤五百亀が制作した十河信二の胸像があり、その姿が来館者を出迎えます。
十河信二記念館は入館無料で、水曜日が休館日となっています。開館時間は午前9時から午後6時までです。歴史に興味のある方や、新幹線開発に興味のある方はぜひ訪れてみてください。
観光交流センターでは、西条市の産業や文化、そして有名な祭りに関する情報を紹介しています。特に「西条まつり」は四国屈指の大祭であり、その迫力や伝統を知ることができる展示が充実しています。また、観光振興課もこの施設内に入居しており、観光客への情報提供や相談も行っています。
観光交流センターは年中無休で、開館時間は午前9時から午後6時までです。こちらも入館料は無料となっており、気軽に立ち寄ることができます。
伊予西条駅は、鉄道歴史パーク in SAIJOの玄関口であり、観光の拠点となる場所です。予讃線の主要駅の一つであり、交通の便が非常に良いため、多くの観光客が訪れます。また、駅前広場では自噴水「うちぬき」の美しい景観が楽しめます。
西条市内には、鉄道関連以外の保存品も点在しており、その一つがポルトガル市電です。この保存車両は四国コカ・コーラボトリング小松第二工場に静態保存されており、車で約20分ほどの場所にあります。鉄道ファンにとって、訪れる価値のあるスポットです。
鉄道歴史パーク in SAIJOは、伊予西条駅前という利便性の高い立地にあり、電車で訪れるのが最も簡単なアクセス方法です。また、車で訪れる場合も、西条市内の主要な道路からアクセスしやすい場所にあります。四国の豊かな自然や文化を楽しみながら、鉄道の歴史に触れることができるため、家族連れや鉄道ファンにもおすすめの観光地です。
鉄道歴史パーク in SAIJOは、四国の鉄道史や地域の文化を深く理解することができる貴重な観光施設です。四国鉄道文化館、十河信二記念館、観光交流センターといった特色ある施設が一堂に集まり、鉄道に関心がある方だけでなく、地域の歴史や文化に触れたい方にもおすすめです。ぜひ、愛媛県西条市を訪れた際には、鉄道歴史パーク in SAIJOに足を運び、四国の鉄道文化を体感してみてください。