川之江城は、愛媛県四国中央市川之江町の鷲尾山(城山)に位置する歴史ある日本の城です。別名「仏殿城」とも呼ばれ、長い歴史の中で戦国時代や南北朝時代の重要な舞台となりました。この城は交通の要衝であり、伊予、讃岐、土佐、阿波を結ぶ要所に位置しており、多くの武将がこの地を巡って戦いを繰り広げました。
川之江城の歴史は南北朝時代にまで遡ります。南朝方の武将であった土肥義昌が、延元2年(1337年)に河野氏の命を受けて川之江城を築いたのが始まりです。この城は仏殿城という別名を持つことからもわかるように、当初は仏閣としての役割を果たしていたとされています。しかし、その後の歴史の中で城としての役割が重要視され、戦の舞台となりました。
南北朝時代から戦国時代にかけて、川之江城はたびたび攻撃を受けました。例えば、延元3年(1342年)には細川頼春の攻撃を受けて落城し、土肥義昌は戦死しています。また、三好氏や長宗我部氏との抗争でも何度か落城しており、特に天正10年(1582年)の長宗我部氏の攻撃で再び破れました。
川之江城は江戸時代初期に一度廃城となりましたが、昭和59年(1984年)、川之江市制施行30周年記念事業の一環として再建が行われました。この再建は城山公園整備事業として行われ、本丸跡に天守、涼櫓、櫓門、隅櫓、控塀などが建てられました。これらの建築物は、犬山城天守を模したデザインが取り入れられ、歴史的な雰囲気を再現しています。
再建された川之江城は、現在もその美しい姿を保ち、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。特に天守からは、瀬戸内海や法皇山脈を一望できる素晴らしい景色が広がっており、訪れる人々を魅了しています。また、桜の名所としても知られており、春には多くの花見客が訪れます。
川之江城は、標高62mの鷲尾山山頂を主郭とする山城です。この城は階郭式の構造を持ち、複数の郭(くるわ)が階段状に配置されています。また、城の主要部分は石垣で囲まれており、これらの石垣は加藤嘉明が再建した時代のものと考えられています。さらに、堀切や竪堀も存在しており、これらは中世の城郭の名残とされています。
再建された川之江城には、天守のほかに涼櫓や櫓門などが整備されており、これらの建物は当時の城の雰囲気を再現しています。特に天守からの眺望は素晴らしく、瀬戸内海や瀬戸内の島々を一望できる絶景スポットとなっています。
川之江城は南北朝時代、南朝方の武将である河野氏の一拠点として築かれました。当時、この地域は伊予、讃岐、阿波、土佐の国境に位置しており、隣国との争いの舞台となっていました。延元2年(1337年)、河野氏の命により土肥義昌が川之江城を築きましたが、延元3年(1342年)には細川頼春が7,000の兵を率いて攻め、城は落城しました。
その後、川之江城は三好氏や長宗我部氏との戦いの場となりました。元亀3年(1572年)には阿波の三好長治が攻め込みましたが、川之江城の守備はこれを撃退しました。しかし、友春は後に土佐の長宗我部氏に通じ、これに怒った河野氏は川上安勝に命じて城を奪還させました。
天正10年(1582年)には、長宗我部氏の再度の攻撃によって再び落城し、城主であった河上安勝も討ち死にしました。この時、年姫という女性が姫ケ嶽から飛び降りて自殺したという悲しい伝説も残されています。
天正13年(1585年)、豊臣秀吉の四国平定によって川之江城もその支配下に入りました。この後、小早川氏、福島氏、池田氏、小川氏と領主が頻繁に入れ替わる中、最終的に加藤嘉明が川之江を領有しました。しかし、嘉明が居城を松山城に移すと川之江城は廃城となりました。
現在の川之江城は、観光地として非常に人気のあるスポットです。特に春には桜が咲き誇り、多くの花見客が訪れます。桜の名所として広く知られており、天守からの眺望とともに楽しむことができます。
川之江城は、瀬戸内海や法皇山脈を一望できる絶景スポットとしても人気があります。また、城山公園として整備されており、散策やピクニックにも最適な場所です。城山公園からの眺めは四季折々の風景が楽しめ、特に秋には紅葉が美しいです。
川之江城へのアクセスは、国道11号線の山下公園前交差点から西へ進み、約650m先の金生川大江橋手前を右折します。そこから約350m進むと、城山公園の麓に到着します。さらに一方通行進入禁止の標識手前を左折し、約350m進むと山頂の駐車場に到着します。
川之江城の周辺には、他にも魅力的な観光スポットが多数あります。以下はその一部です。
四国八十八箇所霊場の第六十五番札所である三角寺は、川之江城からほど近い場所にあります。この寺は歴史ある霊場であり、多くの参拝者が訪れる場所です。
翠波高原は、川之江城から少し足を延ばした場所に位置する自然豊かな高原です。美しい風景が広がり、四季折々の自然を楽しむことができます。
霧の森と霧の高原は、自然の中でリフレッシュできる観光スポットです。静寂な森の中でのんびりと過ごすことができ、ハイキングやアウトドア活動を楽しむことができます。