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佛國山 瑞應寺

(ずいおうじ)

瑞應寺は、愛媛県新居浜市山根町にある曹洞宗の寺院です。市街地の南端、四国山地の山麓に位置しており、厳かな雰囲気を持つこの寺は、地元住民から深く信仰されています。特に冬の時期には、修行僧である「雲水」が市内を巡り托鉢を行う姿が見られることで知られています。

瑞應寺の概要

瑞應寺は、1448年(文安5年)に松本景村によって創建されました。当初は臨済宗の寺院として設立され、松本家の菩提寺として機能していました。しかし、1585年(天正13年)に発生した天正の陣で焼失し、1660年(万治3年)に曹洞宗の寺として再興され、一般民衆の寺院として生まれ変わりました。

復興とその歴史

1828年(文政11年)には再び火災に見舞われ、寺は全焼してしまいます。その後の復興には20年もの歳月を要し、天保弘化年間にようやく元の姿に戻りました。このような歴史的な背景から、瑞應寺は度重なる困難を乗り越えた寺として知られています。

専門僧堂の開設

1897年(明治30年)、瑞應寺には専門僧堂が開設され、多くの学僧が修行に訪れる場所として広く知られるようになりました。これは、瑞應寺が単なる地域の寺院ではなく、禅宗の修行道場としても重要な役割を果たしていたことを示しています。

高田道見と瑞應寺の発展

1905年に高田道見が瑞應寺の第26世住職として就任しました。彼は東京と四国を往復しながら寺院での教化活動に尽力し、仏教青年会を設立するなどの活動を通じて、瑞應寺の発展に大きく貢献しました。高田は精力的な執筆活動を行い、54歳の時には「法王教」を提唱しました。

高田住職は、修行僧からの信頼が厚く、多くの禅僧が瑞應寺に集まりました。その中には、詩人の中西悟堂赤松月船といった著名な人物も含まれており、彼らは瑞應寺で禅僧としての生活を送りました。高田は65歳で亡くなるまでの18年間、寺院の指導にあたり、多くの弟子を育て上げました。

瑞應寺の伽藍

瑞應寺には多くの伽藍が存在し、その中には以下のような建造物があります。

主な伽藍

特に金毘羅殿は、1697年に金毘羅尊天が勧請され、300年以上の歴史を持つ建物です。参拝者は本堂から長い石段を登ることで金毘羅殿に到達することができます。また、金毘羅殿の横には鐘楼も設置されています。

文化財と自然の保護

瑞應寺には、歴史的な価値の高い文化財や、貴重な自然の遺産が数多く存在します。

県指定有形文化財

瑞應寺には、足利義満が山名氏の冥福を祈って作成し、かつて京都の北野天満宮に奉納されていた瑞應寺大転輪蔵(経蔵)があります。この経蔵は、明治新政府の発した神仏分離令により1871年(明治4年)に瑞應寺に移され、1970年(昭和45年)3月27日に県指定有形文化財に指定されました。

県指定天然記念物

瑞應寺の境内には、推定樹齢800年のイチョウの木がそびえ立っています。このイチョウは高さ25メートル、根回り14メートル、目通り9.4メートルの巨大な樹木であり、瑞應寺の象徴的な存在となっています。このイチョウは、1956年(昭和31年)11月3日に県指定天然記念物に指定されました。

アクセス情報

瑞應寺は新居浜市の南端に位置し、交通の便も良好です。市内からのアクセスも容易であり、周辺には観光名所や自然豊かな景観が広がっています。

瑞應寺は、長い歴史と豊かな文化遺産を誇る曹洞宗の寺院として、地域社会に根ざし、多くの参拝者や修行僧を迎え入れています。訪れることで、歴史と伝統を感じることができる瑞應寺は、新居浜市を訪れる際にぜひ立ち寄りたい名所の一つです。

Information

名称
佛國山 瑞應寺
(ずいおうじ)

新居浜・西条・石鎚山

愛媛県